カヌースラローム競技場考/代替案
2020年オリンピック東京大会で葛西臨海公園にカヌースラローム競技場を建設しようとしている問題点について、競技場の代替案を示します。
場所は、江戸川競艇場です。
提案は、江戸川競艇場の既存施設を利用して、2020年オリンピック東京大会二次一時仮設使用するという提案です。江戸川競艇場は、施設整備のために一時利用できなくなりますが、競艇ファン人口や競艇場来場者が年々減少している点で問題ないと認識しています。
一方で、このほどのオリンピック東京開催を機に、江戸川競艇場を拡充する案でもあります。
拡充する理由としては、江戸川区におけるオリンピック競技場誘致を重視した点と施設の老朽化対策が主な点です。
拡充する具体的な内容として、イメージ図に示しましたが、概要は下記の通りです。
①増床によるバリアフリー化
②エスカレーターやエレベーター増設によるバリアフリー化
③キャノピー設置による全天候型施設対応
④施設内の天井耐震化対応
⑤臨場感あるレース場に近接した観戦席の増設
この提案は、当然関係所轄機関や組織と調整が必要であるため、先日江戸川区議会に「陳情書」として提出致しました。江戸川区を中心に有識者や専門家の意見を交えて検討していただきたいからです。
また、一部の団体が現状の葛西臨海公園隣地の空地でカヌースラローム競技場を建設する提案をしていますが、周囲の水域はいあゆる「汽水域」であり、多分に淡水を用いる施設を建設すると、経年にわたり周囲環境を大きく悪影響を及ぼす可能性が大きいためです。
夏などには、江戸川区南端にコンクリートの塊ともいえる施設を建設すれば、江戸川区全体に夏季にはヒートアイランド化をもたらす懸念もあります。
さらには、そもそも論となりますが、「オリンピックムーブメンツ アジェンダ21」における3.2.2項では『環境保全地域および地方の保護』、3.2.3項では『競技い施設』について制約が記載されていますが、次の様な内容が表記がされています。
・環境保全地域、(中略)保護しなければならない。
・屋外で行う競技のいかなる施設、特に自然を活かした
スポーツは、環境に有益でなければならないし、地域発展の
一助けとなる。
・会場他の自然を尊重する重要性および景観保護への配慮は、
スポーツ活動への参加を通じ大いに協調されなければ
ならない。
・既存の競技施設をできる限り最大限に活用し、これを良好な
状態に保ち、安全性を高めながらこれを確率氏、環境への
影響を弱める努力をしなければならない。
・スポーツ施設の運営は、環境に配慮し、資源やエネルギーを
保護して行われなければならない。
等々…。
まさに現在計画している内容と正反対の内容です。
江戸川区では、2020年オリンピック東京大会ではカヌースラローム競技場を開催したいという要望がどうやらありあそうですので、打開策としてこのほど上記の案を提案させて戴きました。
今後、比較的短時間の内に多くのステークフォルダーの方々とこの提案の現実可否について、議論していきたいと考えています。
【提出した陳情書を閲覧するには、こちら(↓)から】
「2014chinnjoushoedogawa_kyouteijou.pdf」をダウンロード
(※陳情書は、個人情報保護の目的で、一部内容を削除しています。)
【追記】
カヌースラロームのコースそのものはどのようにするのか?という疑問や質疑がありますが、鉄骨下地でフレームを組み立て、高低差を10mほど構築し、FRPで水路を組み立てれば容易にコースをつくり事ができます。
現在の技術では十分可能です。
施工実績でよく知られているのは、アミューズメント施設等でよく用いられている外装工法です。岩に見えたり実際のお城や宇宙基地に見えたりする施設の外装は、かなりの範囲でFRPで構築しています。
仮設使用であればあえて擬岩形状とする必要はありませんが、イメージとしては旭ビルウォールのWEBサイトがわかりやすく参考になると思います。興味のある方は下記にリンクを張っておきましたので、ご覧ください。
ちなみに明治製菓の高槻工場にそびえたつ「巨大チョコレートパネル」もFRPでつくられています。
カヌースラローム競技場のコースを仮設利用するのであれば、単純形状化して保管しやすく転用できる様にすれば、再利用で何回もコース設置でカヌースラローム競技を実施することも可能です。持続可能な社会基盤整備としてオモシロイ事例になると思います。
Comments
>>競艇ファン人口や競艇場来場者が年々減少している点で
>>問題ないと認識しています。
競艇ファンは公園の虫や動物以下ですか
なぜ問題ないと言い切るのか理解できません
Posted by: | 2014.06.24 09:33 PM