October 17, 2009

有機的な建築へ

乃木坂のギャラリー・間で開催されている「Kengo Kuma Studies in Organic ~隈研吾展~」を拝見してきました。
さまざまなケーススタディの模型がたくさんあり見応えがありました。「抽象的なものから抜け出して、有機的なものへと向かいたいと考えている。」として、見る者に語りかけています。

展示されている模型を見て、幾何学的なデザインをベースにはしているもののひとつひとつの形が異なる形状であったり、不連続性をもってたりしながらも周囲の景観にマッチングしていたり、具体化された形状そのものが美しく見えるのはそういうことなのだろうと納得してしまいます。

また最近の建築ではハニカム構造の建築に着眼している様子に感じました。特にその構造から構成する「グラナダ・パフォーミングアーツ・センター」の模型に惹かれました。コンサートホール内部の模型ですが、自分が舞台に立った目線で客席を見ることができます。実際のスケールでこれを体感できるアーティストはきっと観客全員から観られている視線をものすごく強く感じることでしょう。

本日はちょうど隈研吾氏による直接のギャラリー・トークもあり賑わっておりました。今度のギャラリー・トークは11月1日(日)の予定だそうです。また、開催は12月19日までです。

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September 20, 2009

アイ・ウェイウェイ展から感じる中国人パワー

森美術館に開催している話題の「アイ・ウェイウェイ展~何に因って?」展に観にいってきました。
アイ・ウェイウェイ氏は、昨年行われた北京オリンピックのメイン会場:「鳥の巣」(北京国家体育場)の建設の際、スイスの建築家ユニット:ヘルツォーク&ド・ムーロンと共同で制作を行った方で、社会派的な美術家です。
彼の作品の写真撮影が条件の範囲内で可能となっていますので、様々なブログ等ですでに相当数が紹介されていますが、ここではアート作品の写真掲載は避けておきます。

私的にたいへん興味をひいたのは、彼の哲学的な思想の作品よりも、展示会のエントランスの床と壁にたくさん「鳥の巣」の建設中の写真です。
開催前にかなりの突貫工事で施工していたはずであるのにも関わらず、妙に人が写っていない無機質的に写真として納められています。

またそれらの写真からは「鳥の巣」のひとつひとつの大きな複雑な躯体PC梁をダイナミックに組み立てていく施工中の様子が確認できます。
一定の間隔で大きく「鳥の巣」のコア躯体となる部分をまずつくり、その間をPCでつないでいく順序で施工されていったのがわかりました。

複雑な「巣」の構造を大きな支保工によっていくつもささえられている様子が、そのダイナミックな建築を物語っています。
当時の建築関係者たちは、躯体がすべて繋がりこの支保工を取り外す瞬間は誰しもゾクゾクっと感動したことでしょう…。

一方、躯体ユニットを繋ぐ途中の段階で、建設中の「鳥の巣」の前で大量に躯体を壊している様子の写真もあるのですが、もしかしたら複雑な形状だけにPC躯体が合わなかった?ってことはないでしょうね…。余計な心配ですが...。
ともあれ親切な説明のない「鳥の巣」の施工中の写真から、最も中国人のモノづくりと発想力のパワーを感じてしまいました。

基本的には「鳥の巣」はヘルツォーク&ド・ムーロンの作品で、様々な建築家や芸術家の方々がその建設に携わっており、その一人がアイ・ウェイウェイ氏という位置づけが私の解釈であり、「鳥の巣」の施工中の写真は彼の作品ではないと思いますが、念のため展示会のルール通りクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示をしておきます。

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以下の写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。

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May 23, 2009

「学ぶ」新しいスタイル

iTunesを利用して伊東豊雄氏の多摩美術大学での講義「現代建築の課題」が無料配信されていましたので、案内しておきます。同大学での環境デザイン学科の授業で、自身の作品の紹介と共に考え方の変化について2時間半にわたる講義を8回に分けてPODCASTで配信しています。無料配信です。

様々な場面で「学ぶ」ことがインターネットを通じて、自宅にいながらや、またipod等のメディアツールを用いて簡単に可能な時代になってきました。超高度情報化がもたらしたオンデマンドの時代です。

伊東氏の他にも東京大学発で学術俯瞰抗議2008「変化する都市」などもiTunesから無料配信されています。情報収集や「学ぶ」ライフスタイルが劇的に変化してきています。

多摩美術大学 - 伊東豊雄「現代建築の課題」 - 伊東豊雄「現代建築の課題」

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April 17, 2009

“建築”を通じて知る感動と夢の喜び

ひょんな繋がりからある方を通じて知った「D-School」。
~夢を抱く世界の子供たちに投資をする「D-School」プロジェクト~の第一弾の企画である“みんなで寄付金をあつめて学校を建ててしまおう”というプロジェクトがついに実現しました!というお知らせが、このほど幹事さんからのメールで知りました。

フィリピンに「ヒパラヤン小学校」の校舎が完成したとのことです。その落成式の様子が「D-schoolブログ」で閲覧することができます。地域の人達が総出で学校建築の落成を祝い、喜ばれている様子は感動ものです。

わずかながらですが小生も寄付金を出資しており、「D-schoolブログ」を通じてその感動を分けていただくことができました。寄付者の名前が刻まれたネームプレートは、学校の壁に半永久的に飾られます!とのことで、恥ずかしさ反面、嬉しさ反面…。
でも率直に“建築”を通じて多くのひとに感動や夢を与えることができるのは、なんとも言い難い喜びです。

今、日本の学校建築においても実は課題がいくつかあります。そのひとつが「耐震化」の遅れ。必要なものにスピーディに投資されない日本の現在の公共事業。海外の建築投資に関わるチャリティの経験から、日本において何か忘れかけているものを感じました。

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March 05, 2009

ノスタルジックな建築ジオラマ模型

Ginza_diorama市場経済が荒れ、乾いた時代となっていますが、ノスタルジックな世界に導いてくれる話題のジオラマ建築模型があります。
昭和30年代の銀座の街並みを再現したもので、模型の中にLEDを各処配置し、建物のライトアップや看板の照明を点灯できるそうです。

4月10日発売とのことですが、先日銀ブラしていたら天賞堂のショウウィンドウでそのジオラマ模型をなんと発見!真近で見ることができました。
右の写真がされです。よくみるとなんと小さな人の模型がゆらゆらと動いていました。まさに銀ブラ状態。

路面電車の走行音や時計台の鐘の音などもスピーカーから流れるしかけになっているらしいです。なんといった懲りようで団塊の世代の癒しを誘いそなジオラマ。でもそのお値段、なんと19万8千円。ん~ちょっと高すぎないでしょうかね...。どんな方が購入するのでしょうか?

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March 02, 2009

お笑い界にも著名…

再び安藤忠雄ネタ…。
ネバダから来た“矢島美容室”のストロベリー・カメリア・ヤジマがYAHOO動画の無料配信で「安藤忠雄に会ってみたいですっ!」とコメントし、「それが目標!」と語っています。
思わず大笑い…。フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」発:とんねるず×DJ OZMAプロデュースのネタでした。

【参照WEB】
http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00071/v05617/
http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00071/v05617/v0561700000000498153/

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December 22, 2008

想いが形をつくる…

アカデミーヒルズ主催:『安藤忠雄/組織の条件 リーダーの条件』の講演を拝聴してきましたので、その印象をコメントしておきます。

リーダーの条件として『夢と責任感を持つことの重要性』を語られていました。
東大の入学式の父兄の話、アブダビで計画中の海洋博物館の話、東京オリンピック誘致の話、代々木体育館の話、自身の事務所のスタッフの話…など様々な事例を紹介しながら『夢があること』『夢を言葉にできること』『自分なりの哲学や価値観をもっていること』『忍耐力があること』がリーダーとしての必要条件だそうです。

組織の条件としては、組織の中で『互いに認め信じあうこうと』が重要であると熱く語っていました。
その事例として、日本のゼネコンの現場監督は海外の建設会社と比較しスケージュール管理やゼロから構築物を立ち上げる創造力はすごいと絶賛し、過去のプロジェクトの組織力を説明されていました。
さらには時間と場所を問わずプロジェクト毎に少数精鋭のチームを組織し、世界各国の建築物を実現化させている事例から、安藤忠雄氏のチーム編成力の達人的な凄さを感じさせられました。

また後半に米倉誠一郎氏との対話と聴講者の質疑の中で印象が深かったコメントがありました。それは『想いが形をつくる』というコメントです。
『高等な技術は建築をつくれるが、それに想いがなければ感動はつくれない…』『感動がなければ、チームはもちろん文化は生まれないし、生まれたとしても継続しない…』
ドバイの急激な発展と今後のゆくえを予想しながら説明されていました。
私自身様々なコンサルタントやデザインの仕事をしておりますが、高等な技術的な見解や冷静な判断はより良い建築を手掛ける上で大切である一方、常日頃『人はすべて気持ちに支配され動き、社会と文化を形成している』という信念を持っていましたので、安藤忠雄氏の『想いが形をつくる』というコメントにはとても感激致しました。

さらには自らが様々な活動に深く携わっていることついて『気になるものをたくさん作っておく。そうすることによって命が生まれ発展していく…』と語り、安藤忠雄氏自身が今後もずっと精力的なリーダーでありトップランナーであることを印象づけられました。

年末の忙しない時ではありましたが、“ものづくり”の熱い気持ちを建築に携わる者たちは忘れてはいけない、ということを再認識することができました。
現在、自伝『建築家 安藤忠雄』の書籍を拝読し、講演時の熱い気持ちを再び味わっております... 。

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September 23, 2008

新東京タワー:原油高騰の煽りで工事費UP/再考の余地あり

原油高騰の勢いも少しこのところ一段落した様子でもありますが、鋼材をはじめとする建設資材の高騰はまだ一段落を終えません。そんな折、7月に新東京タワー「東京スカイツリー」の着工が始まっています。

余計なお世話かもしれませんが、心配なのはやはり請け負った施工者:大林組の原価差額。どのくらになるのか超概算で試算してみました。

現在、芝公園にある東京タワーの施工鋼材使用量が約4千2百tですからそれから推測して試算してみます。

周知の通り、現東京タワーの高さは333m、東京スカイツリーは610mになることから、容積比率は約6.2倍程度の予測なので東京スカイツリーに使用される鉄骨重量は、少なくとも
4千2百t×6.2≒2万6千tになるのではないかと推測されます。

現在の耐震性を踏まえた構造基準は当然昔よりも厳しくなっていますすし、複数の高速エレベーターの付帯構造の鉄骨量もある為、「東京スカイツリー」で使用される鋼材は恐らく
2万6千t×1.25倍≒3万3千t程度なのではないでしょうか。

原油高騰の折、建設鋼材は昨年より1トンあたり4万円半ばを既に超えておりますので、材料費のみで既に受注時との差額は、
3万3千t×4万5千円/t≒14億9千万円を超えていると判断しています。

一方、資材の輸送費用や鋼材の種類や反りなどの特殊加工を考慮すると、恐らく加工費差額はその倍の30億円は超えるでしょう。

原油高騰による鋼材費のみの試算で、建設費:約500億円に対して6%ほどですが、その他影響する建材費や輸送費を加味するとさらに大きな金額差となることは間違いないでしょう。ちょっと乱暴ですが、超概算による試算ですとこの様になります。

一方、9月22日付けの日経新聞の一面に、市場の建築資材の高騰を理由に、大林組は放送施設を含む総工費600億円の2割ほど値上げしたいと主張している記事が目にとまりました。というと120億円です。

超概算とは大きな開きがありますが、その多額の金額を埋め合わせの折衝がまとまらなければ、「東京スカイツリー」現実化しない可能性もあります。

ゼネコンや建設関連企業の現状の財務状況から判断すると、コスト差額を施工者側の負担とするのは非現実的で無理な話ですし、「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」の第29条“請負代金額の変更”の内容から判断しても、か工事費の事業主への転嫁は妥当であると判断できますので...。

2012年の春に開業予定となっていますが、思い切って、原油高騰による建築資材や輸送費の高騰が落ち着くまで、完成工期を遅らせるのも一手ではないでしょうか?

「東京スカイツリー」の事業費約500億円を東武鉄道が出資していますが、その源泉は鉄道利用者である一般市民であることは言うまでもあしません。
「東京スカイツリー」が完成してからの観光収入も原価差額の埋め当てに期待できますが、いずれにしても原泉は市民の出資です。結局一般市民のオサイフを財源として期待されるのも理不尽です。

完成を遅らせると、TV放送の一斉デジタル化もそれに伴い遅らせることになりますが、大きな混乱は発生しないはずです。
東京オリンピックの誘致と少しリンクさせ、2016年程度までに完成させればいいのではないでしょうか?そうすれば、外資流入効果も期待できるのではないでしょうか。

建設費:約500億円、総事業費:約600億円と言われていますが、このまま走り続けてとどこまで工事費がUPしてしまうのか心配です。

市場背景から注目的なプロジェクトになってきましたが、いずれにしても「東京スカイツリー」が、世の中で最も鋼材費の高い時に建てた“最も不経済なプロジェクト”として世界遺産的な「金字塔」とならないことを切に思います。

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July 21, 2008

夏休み自由研究にエコな観点を養ってはいかが?

原油高騰と洞爺湖サミットの影響でしょうか、建築関連の情報雑誌では環境に関する話題が目白押しです。地球温暖化防止策をたいへんわかりやすく整理された建築関連のWEBサイトを紹介しておきます。

それは日本建設業団体連合会のWEBサイトで「Let's エコライフ」です。おウチでできる簡単なCO2削減方法をイラスト入りで情報発信をしています。非常にわかりやすく小中学生の夏休みの自由研究の宿題などにもすぐに活用できるエコチェックシートが提示されているのがうれしくお勧めです。

「エコチェックシート」WEBサイトでダウンロードできますが、家庭でできる簡単なCO2削減方法について、1日あたりのCO2削減量と1年間での節約金額を具体的にしめされているのが何といっても活用しやすいところです。

そのエコチェックシートを使えば、家族みんなでチャレンジして夏休み期間中にどれだけ節約したか金額やCO2削減量を知ることができるでしょう。風船などを使ってそのボリュームを研究発表されたりするとよりリアルでいいかもしれなせんね。

夏休みの自由研究でなくても、実際にチェックしてみてちょっとした工夫でCO削減がかなりできることの実感を持つことが大切である気がいたします。さて、あなたのご家庭ではどの項目でエコに貢献していますでしょうか?
Letsecolife_2

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July 04, 2008

ダイナミック過ぎる建築…

Dynamic_architecture_2先日、イタリアの建築家:David Fisherによって「The Dynamic Architecture」が発表されました。
建設予定はドバイ。78階の超高層タワー全体が何とウネウネと回転するのが大きな特徴です。
You Tubeの映像でそのプロジェクトの概要を知ることができます。まずは、百聞は一見に如かず。

間もなく洞爺湖サミットが行われようとする中、時代錯誤の反エコな建築だと思いきや、その説明ですと動力は風力発電により自らが創りだすとか…。本当だろうか?地下に原子力発電所を備えて補助でもしない限り、無理な気も致しますが...。

建設のスピードも一般の施工法とは異なり、コア部を先に構築後に上部より可動部の空間を組み立てていく方法で、超スピード工法のようです。まぁ構想の通りのコンセプトであるコストと時間ではまず実現可能性はかなり低いでしょう。

ともあれ、奇抜な発想の開発が続くドバイ。無駄な地球環境破壊につながる行為だけはしてほしくないものです。ドバイからちょっと車を走らせれば広大な砂漠があるのに、どうしてこう限られた土地の中で天高い建築を目指すのでしょう…。

これからの時代、砂漠緑化をダイナミックに考慮したエコ建築を後世に残したほうが、社会貢献性も含めてよほど名を残すと思うのは気のせいでしょうか?

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