March 31, 2014

霞ヶ丘国立競技場立て替え問題:考察

2020年オリンピック東京大会を目指して立て替え計画中の国立競技場についての問題点に触れる。

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Photo当初、槇文彦氏らが文教地区にザハ・ハディド案は巨大すぎるとして問題提起摘し、社会問題化している。計画コストの件からも見直しがされ、現在縮小案にて基本設計が進行中である。

一方で、既存施設を少しでも利用できないかと、訴えている市民活動もある。森まゆみさん達が共同で代表を努めるグループで、「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」である。詳細は下記URLを参考としてほしい。昨年から多様な文化人による勉強会を複数開催している。この活動には、深く共鳴するところがある。
http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/pg100.html

しかし彼女らが開催する勉強会にも何度か参加し、様々な情報を得ましたが、残念ながら現段階で決定打となる解決方法は見出されていないのが実情である。また今年4月より実施設計に入る予定でもある点で、時間的に交渉や調整時間が無くなってきている点も厳しいところである。

たいへん気になり、実際に国立競技場に独自にリサーチしに出向き、自分の目で確認してみた。50年以上前に建設されたが、一見しっかりしている様子であるが、やはり構造躯体からは各所ひび割れやエフロレッセンスが発生している。この状態では現状調査し、既存利用の改修案を計画し直すのはなかなか大変である。

技術的には改修利用は可能であるが、既に2020年まで残すところ6年半足らずしかないため時間的に技術検討や各種関係者との調整を割く時間を確保するのに困難であると判断しためだ。また実際には、2019年ワールドカップラグビー大会を新国立競技場で開催する予定であるため、現実的には現時点で5年半しか時間がないのである。

そこでダメ元ではあるだろうが、現時点で現実的な改修利用案の概要をあえて提示しておく。既存の競技場のバックストレート側を残し、その部分を再利用する案である。陸上競技場は、オリンピック級の国際大会を開催するには、9コース必要であり、競技場拡張が必須であり、既存競技場をそのままでは使えない。

そこで耐震改修して使えそうな部分を限定し、その部分を利用して新築する案である。このようにすれば陸上競技場の拡張も可能であるし、実際に既存躯体にはエキスパンション・ジョイントと呼ばれる区画で構造体が区分されており、既存躯体を上手く利用することが可能である。

ザハ・ハディドの縮小案も、現況のスタンドを貫通する様に柱を立てれば、新規のデザインを活かしたまま建設が可能である。またこうした改修方法は、現実的に川崎市の等々力競技場で現在進行形で実施展開している。少しでも参考にしていただけたらと痛感する。
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また、現況の国立競技場を観る限り、上手く既存活用して戴きいただきたいものもある。それは、鋳物でできている聖火台とホームストレート側の観客席上部にある相撲の元祖といわれる「野見宿禰(のみのすくね)」とギリシャ神話の勝利の女神「ニケ」のモザイクタイル壁画である。

競技場周囲に設置されている各種彫刻も是非保存利用して戴きたいものである。さらには、国立競技場北側には、「同期の櫻」もあり、歴史的にみてもその桜やそれんに関わる石碑は残すべきものである。

既存競技場を少しでも利用することは、環境負荷をできる限りおさえることにもつながり、オリンピック憲章の理念にも合致する。

いずれにしても、こうした社会資本整備の再整備は、本来もっと開かれた場で時間的に市民と十分な議論と意見交換を中心としたコミュニケーションを経て、展開してほしいものである。

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