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June 29, 2008

岩手・宮城内陸地震に学ぶ課題

岩手・宮城内陸地震より学ぶ今後の課題を考え、まとめてみました。
防災対策関係者の方は参考としていただければ幸いです。

1.山岳、内陸の大規模地震に対する課題
【被災直後の体制】
・今回の地震は、内陸の山岳地域が震源であるため、被災者の把握に時間を要しているのが特徴。
どこに要救助者が存在するのかをより早く知ることと、いち早く救助体制を敷き救助活動を速やかに実践できる行政ネットワークの整備が必要。

・また複数の救済者が発生した場合、トリアージの考え方に基づき、いつ誰がどのような体制でその救済を行うのかをできる限りケーススタディを行い、有事の際に判断スピードが鈍らないようにする準備が必要。

【救援活動】
・自衛隊による被災者の救助活動そのものは大変技術力が高く、日常訓練の賜物である印象を受けたが、被災者発見から救助活動出動に至るまでの時間短縮が今後の課題。

【孤立集落】
・孤立集落については人命救助が最優先になることは言うまでもないが、被災状況によっては時間とコストも 検討軸に踏まえ、孤立集落の復興活動指針の整備も地方自治体を中心となって整備が必要。

【情報連絡】
・GPS等による地表部の変位データを瞬時に知る方法はないのだろうか?地震時には被災地域や被災者からの情報発信は困難になる可能性が高い為、それが可能となれば、時間をかけて被災地域をヘリコプターで捜索する活動が省力化できると考える。

・また携帯電話の普及率が高いことより、緊急時の対応にGPS機能と連動した救助要請を発信する情報システムの開発とシステムの確立が有効と考える。

【事前対応】
・情報連絡で記述した提案は現在の日本の保有する技術で十分実現可能なものであり、肌理の細かいGPS装置と人工衛星を経由して得られる情報ネットワークの整備が必要であると考える。

【防災計画その他】
・国民の生活スタイルが多様化・複雑化している為、より多くのケーススタディをシミュレートし、有事の際にスピーディな判断材料となるような多様な基本防災計画を行政別に立案しておくことが有効であると考える。

2.二次災害の防止、復旧対策の課題について
【二次災害】
・二次災害を最小限にするためには、その予測の速さと正確さが問われる。それを実現させるには、やはり被災状況の正確な把握が重要となる。火災情報、河川の氾濫、交通網の分断、地殻変動、天候予測などが肝心な情報となるが、その情報をいち早く取得する所轄の行政ネットワークが現在バラバラである。
災害時に被災情報が集約できる防災センターを地域差のない様に整備することが課題であると考える。

【復旧対策・復旧体制】
・防災技術とは異なる技術が必要であり、やはり行政ネットワークの連携がいかに速やかに実践されるかが課題といえる。
有事の際に一定の期間、各行政や地域のインフラ整備の公益事業者や民間団体・企業より特別に組織される復旧対策組織を地域ごとに想定しておき、平時にシミュレーションしておくことが効果的である。

【廃棄物処理】
・山岳地域では、崖崩れや土石流にて発生する廃棄物の処理方法が困難となることが予想される。破断された交通網の早期復旧が直面する課題となることは必須であるが、交通網が整備されるまでの間の廃棄物の処理にあたっては、自然破壊とならない様に配慮しなければならない。
そのためには、管理型か安定型の廃棄物であるかの種別を現地にて的確におこない、周囲の交通網や環境に併せて、一次、二次、三次…といった段階的に処分方法や対応を検討する対応が必要である。
山岳地域は水源地帯でもある為、廃棄物により水質汚染が発生した場合、生態系に影響を及ぼす恐れがあり、安易に廃棄物を処理しないような体制づくりが必要。

【ライフライン確保その他】
・復興計画も見据えたライフラインの確保の検討とその判断基準の整備が課題。

3.今後の予想される大規模災害への準備課題について
【復興計画】
・今後予想される大規模災害への準備対応としては、地域・地区ごとに災害発生後の具体的な復興シミュレーションを総合的におこない、より具体的な対策や復興計画が立案を行政毎に行うことが重要である。
比較的に都市部の地域によっては有事の際を想定し、かなり進んだ復興計画を立案している行政もある一方、地震災害をはじめ自然災害を想定した防災対策・復興計画を検討している行政・自治体は少なく、その格差は大きいといえる。
ムラのない防災対策をもつ行政ネットワークが必要であり、国から地方行政への指導や情報提供が必要であり、リテラシー格差を縮めることが課題。

【過去の大規模災害からの教訓】
・過去の大規模災害からの教訓についてもその情報が各行政や民間団体が独自に所有しており、教育・指導されずに普及されていないのが実情である。
それらの教訓を国土保守や防災の理念のもとで普及させるは、抜本的な大規模災害に対する防災、減災、復興に対する教育・指導の機会や情報の集約と整理が必要であると考える。

【地震予知、耐震、情報連絡その他】
・防災、減災に対する意識の高い行政や民間の情報をカテゴリー別に集計し、様々なアプローチやフレームワークで活用可能なポータルサイト(情報窓口)が必要。

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