« April 2008 | Main | July 2008 »

June 30, 2008

原油暴騰による建築市場のこの先…

Chart_for_the_unit_prices_of_stee_2










とうとう先週NY原油が1バレルあたり140ドルを突破しました。
今年に入ってからそれにつられ建設資材もかなりの高騰となっています。

一般の新築物件で多用されている代表的なSD295/D16~25の異形鉄筋の単価と原油の高騰具合をわかりやすくチャートを重ねてみました。チャートは6月中旬のデータをまとめたもので、すでに原油市場単価が140ドルへと移行した今では古いチャートかもしれません…。

ですが、このチャートから予想されるように建設物価はまだ高騰することが明らかです。なぜなら概ね2~3ヶ月後に原油市場単価の動きが建設物価へ反映されるからです。

昨年末に予想した様に、昨年の建築基準法改正の煽りとこのインフレ傾向の社会的背景により、今年は建設関係会社の経営を大きく揺さぶっていることでしょう。今年後半には自転車家業の工務店や建材メーカーなどを中心に建設業界淘汰の波が押し寄せることでしょう。

市場は日本だけではないですし、住環境に対する考え方やライフスタイルは多様化していますので、建設関連の各企業にとっては、その淘汰の大波をどの様に切り抜けるかを戦略的に考え即実施することが喫緊の課題ですね。共にがんばりましょう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 29, 2008

岩手・宮城内陸地震に学ぶ課題

岩手・宮城内陸地震より学ぶ今後の課題を考え、まとめてみました。
防災対策関係者の方は参考としていただければ幸いです。

1.山岳、内陸の大規模地震に対する課題
【被災直後の体制】
・今回の地震は、内陸の山岳地域が震源であるため、被災者の把握に時間を要しているのが特徴。
どこに要救助者が存在するのかをより早く知ることと、いち早く救助体制を敷き救助活動を速やかに実践できる行政ネットワークの整備が必要。

・また複数の救済者が発生した場合、トリアージの考え方に基づき、いつ誰がどのような体制でその救済を行うのかをできる限りケーススタディを行い、有事の際に判断スピードが鈍らないようにする準備が必要。

【救援活動】
・自衛隊による被災者の救助活動そのものは大変技術力が高く、日常訓練の賜物である印象を受けたが、被災者発見から救助活動出動に至るまでの時間短縮が今後の課題。

【孤立集落】
・孤立集落については人命救助が最優先になることは言うまでもないが、被災状況によっては時間とコストも 検討軸に踏まえ、孤立集落の復興活動指針の整備も地方自治体を中心となって整備が必要。

【情報連絡】
・GPS等による地表部の変位データを瞬時に知る方法はないのだろうか?地震時には被災地域や被災者からの情報発信は困難になる可能性が高い為、それが可能となれば、時間をかけて被災地域をヘリコプターで捜索する活動が省力化できると考える。

・また携帯電話の普及率が高いことより、緊急時の対応にGPS機能と連動した救助要請を発信する情報システムの開発とシステムの確立が有効と考える。

【事前対応】
・情報連絡で記述した提案は現在の日本の保有する技術で十分実現可能なものであり、肌理の細かいGPS装置と人工衛星を経由して得られる情報ネットワークの整備が必要であると考える。

【防災計画その他】
・国民の生活スタイルが多様化・複雑化している為、より多くのケーススタディをシミュレートし、有事の際にスピーディな判断材料となるような多様な基本防災計画を行政別に立案しておくことが有効であると考える。

2.二次災害の防止、復旧対策の課題について
【二次災害】
・二次災害を最小限にするためには、その予測の速さと正確さが問われる。それを実現させるには、やはり被災状況の正確な把握が重要となる。火災情報、河川の氾濫、交通網の分断、地殻変動、天候予測などが肝心な情報となるが、その情報をいち早く取得する所轄の行政ネットワークが現在バラバラである。
災害時に被災情報が集約できる防災センターを地域差のない様に整備することが課題であると考える。

【復旧対策・復旧体制】
・防災技術とは異なる技術が必要であり、やはり行政ネットワークの連携がいかに速やかに実践されるかが課題といえる。
有事の際に一定の期間、各行政や地域のインフラ整備の公益事業者や民間団体・企業より特別に組織される復旧対策組織を地域ごとに想定しておき、平時にシミュレーションしておくことが効果的である。

【廃棄物処理】
・山岳地域では、崖崩れや土石流にて発生する廃棄物の処理方法が困難となることが予想される。破断された交通網の早期復旧が直面する課題となることは必須であるが、交通網が整備されるまでの間の廃棄物の処理にあたっては、自然破壊とならない様に配慮しなければならない。
そのためには、管理型か安定型の廃棄物であるかの種別を現地にて的確におこない、周囲の交通網や環境に併せて、一次、二次、三次…といった段階的に処分方法や対応を検討する対応が必要である。
山岳地域は水源地帯でもある為、廃棄物により水質汚染が発生した場合、生態系に影響を及ぼす恐れがあり、安易に廃棄物を処理しないような体制づくりが必要。

【ライフライン確保その他】
・復興計画も見据えたライフラインの確保の検討とその判断基準の整備が課題。

3.今後の予想される大規模災害への準備課題について
【復興計画】
・今後予想される大規模災害への準備対応としては、地域・地区ごとに災害発生後の具体的な復興シミュレーションを総合的におこない、より具体的な対策や復興計画が立案を行政毎に行うことが重要である。
比較的に都市部の地域によっては有事の際を想定し、かなり進んだ復興計画を立案している行政もある一方、地震災害をはじめ自然災害を想定した防災対策・復興計画を検討している行政・自治体は少なく、その格差は大きいといえる。
ムラのない防災対策をもつ行政ネットワークが必要であり、国から地方行政への指導や情報提供が必要であり、リテラシー格差を縮めることが課題。

【過去の大規模災害からの教訓】
・過去の大規模災害からの教訓についてもその情報が各行政や民間団体が独自に所有しており、教育・指導されずに普及されていないのが実情である。
それらの教訓を国土保守や防災の理念のもとで普及させるは、抜本的な大規模災害に対する防災、減災、復興に対する教育・指導の機会や情報の集約と整理が必要であると考える。

【地震予知、耐震、情報連絡その他】
・防災、減災に対する意識の高い行政や民間の情報をカテゴリー別に集計し、様々なアプローチやフレームワークで活用可能なポータルサイト(情報窓口)が必要。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 13, 2008

東京:「あなたのまちの危険度」は?

中国四川省大地震の影響で、日本でも地震に対する危険度に関心が高まっている様子ですが、実は東京都都市

整備局では地震に関する地域危険度測定調査を「あなたのまちの危険度」パンフレットとして今年の2月に発表しています。WEB上でも公開され、ダウンロードして確認することが可能です。
Kikendo_3










それによると、建物倒壊危険度上位10町は
・1位 墨田区 京島2丁目
・2位 台東区 竜泉3丁目
・3位 墨田区 墨田3丁目
・4位 墨田区東駒形2丁目
・5位 台東区浅草5丁目
・6位 足立区千住寿町
・7位 荒川区町屋4丁目
・8位 足立区千住4丁目
・9位 足立区千住龍田町
・10位 墨田区京島3丁目

火災危険度上位10町は
・1位 品川区 豊町5丁目
・2位 新宿区 赤城下町
・3位 品川区 二葉3丁目
・4位 新宿区 若葉3丁目
・5位 品川区 豊町6丁目
・6位 品川区 豊町4丁目
・7位 新宿区 南榎町
・8位 荒川区 荒川6丁目
・9位 中野区 大和町3丁目
・10位 品川区 戸越4丁目

そして、総合危険度上位10町としては
・1位 墨田区 墨田3丁目
・2位 新宿区 若葉3丁目
・3位 荒川区 町屋4丁目
・4位 品川区 二葉3丁目
・5位 足立区 千住柳町
・6位 足立区 千住4丁目
・7位 墨田区 京島3丁目
・8位 足立区 柳原2丁目
・9位 荒川区 荒川6丁目
・10位 墨田区 東向島1丁目

以上のようになっています。

この「あなたのまちの危険度」パンフレットで凄いのは、東京都の全5099市町村の危険度をランク付けしてい

る点です。東京都都市整備局で定めた規準に従いランク付けがされていますが、大胆に発表されている点で地

震に関する市民の関心度を高める効果があり、評価は高いと言えるでしょう。

これをもとに、様々な角度から地震や自然災害に対して研究がすすみ、強い街づくりがさらに促進していくこ

とに期待したいところです。

一方、逆に総合危険度の低い上位10町は、
・1位 足立区 入谷町
・2位 瑞穂町 長岡藤橋
・3位 武蔵村山市 中原5丁目
・4位 武蔵村山市 残堀3丁目
・5位 町田市 小山ヶ丘6丁目
・6位 昭島市 上川原町
・7位 立川市 上砂町7丁目
・8位 立川市 上砂町6丁目
・9位 八王子市 七国4丁目
・10位 新宿区 神楽河岸
です。

私も日本技術士会の防災委員会の活動やスリバチ会を通じて機械あるたびに街歩きをしていますが、東京の街並みは驚くほどに千差万別です。
自分の住む街の危険度をチェックして、地震災害に対する意識をちょっと高め、家族や地域コミュニティ内でいざというときのことをイメージしておくことはとても大切なことです。備えあれば憂いなしです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

June 12, 2008

中国四川省大地震で多くの被災者を発生させた理由

多くの犠牲者を出している中国四川省大地震についてコメントするには、なかなか正確な資料が収集できない点と遺族の方々や被災者の想いを想像するといたたまれない点で言及はできない状況です。

しかしながら敢えて最大限コメントすると、被害を大きくした理由として、
『地震や耐震化、建築構造学に対する基本的知識が社会的に不足していた』
からであると言えるのではないでしょうか。

その理由として、
・そもそも歴史的にも四川地方は大地震の発生する可能性の高い地域である点
・大地震に対する日本の様な建築基準法が整備されていない点
・建築物の耐震構造に対する技術知識が社会的に不足している点
・建築物の老朽化に対する耐震化への対応とメンテナンス知識が社会的に不足している点
・建築物の構造を技術的に検証するシステムが社会に構築されていない点
以上の5つの事項があげられます。

報道される瓦礫の山となった建物の映像から判断すると、耐震化技術よりも建築構造そのものの技術に関する知識があきらかに社会的に不足している状況です。

今後復旧作業が大きな課題ですが、急ピッチに安易な復旧をするよりも、的確な復興作業がすすめられることを期待したいと思います。マンパワーによる復旧支援よりも、構造技術や復興技術などのノウハウや知識の支援が最も必要なのではないでしょうか。

日本建築学会、土木学会、日本地震学会などの5学会が中国・四川大地震で被災した建物や橋梁の復旧作業を支援するために成都の西南交通大学に技術協力をする旨を今月10日に発表しましたが、中国政府は耐震化技術に長けた日本の構造技術や阪神淡路大地震や新潟県中越地震で活かされた復旧方法などから多くのことを学びとってもらいたいものです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« April 2008 | Main | July 2008 »