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February 21, 2007

リキッド化する美術館

所蔵品を持たずに運営する国立新美術館よりもさらにもっとリキッド化した美術館「ノマディック美術館」が来月11日にお台場にオープンするのが話題となっています。カナダの写真家グレゴリー・コルベール氏の個展「ashes and snow」が展示となりますが、その美術館のおおきな特徴は仮設である点です。

建築家の坂茂氏による設計でコンテナを積み上げた高さ10mほどの空間です。グレゴリー・コルベール氏は、鯨や象、豹などの野生動物と人間との距離感の無い自然な関係を、旅を続けながら写真撮影していますが、そんな旅する写真家の個展にふさわしいコンテナの空間となっています。

使用しているコンテナの数は152個ほどで、積み上げているコンテナは昨今の輸出需要の多さから確保するのが大変だったそうです。でも、また個展が終了すれば解体されコンテナは再利用されます。まさにリキッド化が加速する美術館。芸術品やお宝を所蔵するよりも、多くの感動を知ってもらうために、アートが世界中を旅することにより仮設空間を有効利用する今回の美術館の運営方式は、従来の美術館の建築手法を飛躍的に進化させています。

さらには、芸術品や高価な宝物を所蔵し続ける意義さえも考えさせられる気がします。人間と野生動物の「生」を捕らえグレゴリー・コルベール氏の作品とそれを包むコンテナ空間は、人間が本質に大切なもの…を真剣に訴えているような気もしてきます。本当に大切なものは何だろうという観念が頭をよぎり、将来のライフスタイルをも考えさせられます。

今回は、ニューヨーク、サンタモニカに続いての開催で6月24日までのオープン予定。また、現在六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーにてグレゴリー・コルベール氏の先行展覧会を実施しています。

<参考>
森アーツセンターギャラリー
グレゴリー・コルベール
animal totems: a prelude to ashes and snow
写真と映像で捉えた人間と動物との驚異的な交流の姿。

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