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February 22, 2007

都市再生?何を想う…。

突然の都知事選に立候補を唱えた黒川紀章氏。自身のホームページにて箇条書きにて15の公約を提示しています。
なかでも特に理解しがたいのは、都知事としての任期を「1期のみ」と期限を切っているところ。都政は持続的な計画を重ね、それを実施展開していくために多くの関係者や都民との対話が必要であるはず。東京という大都市をまとめあげるには一朝一夕ではいかないはずですが…。

また、公約には自身の唱えたメガロポリス構想案的なものはありませんが、都知事選立候補のエネルギーがその根底にあるならば、一期の任期で何をしようとしてしているのかが理解しいがたいです。大都市:東京の街づくりは実験であってはいけません。著名な建築家が建築家らしからぬ発想をしているところが、非常に気になります。

気になるといえば、このほどオープンしてまもない国立新美術館にて個展を開催していますが、最近の自身のお姿の写真がありましたが、なぜか坂本竜馬のような武士の井出達をしていました。都政への維新を決意したのでしょうか?タレント知事の乱立の歯止めを唱えていますが、言動とのギャップを感じます。

あくまでも建築家は建築のプロであって、そこで尖がっていてほしいものです…。非常に気になるニュースです。

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February 21, 2007

リキッド化する美術館

所蔵品を持たずに運営する国立新美術館よりもさらにもっとリキッド化した美術館「ノマディック美術館」が来月11日にお台場にオープンするのが話題となっています。カナダの写真家グレゴリー・コルベール氏の個展「ashes and snow」が展示となりますが、その美術館のおおきな特徴は仮設である点です。

建築家の坂茂氏による設計でコンテナを積み上げた高さ10mほどの空間です。グレゴリー・コルベール氏は、鯨や象、豹などの野生動物と人間との距離感の無い自然な関係を、旅を続けながら写真撮影していますが、そんな旅する写真家の個展にふさわしいコンテナの空間となっています。

使用しているコンテナの数は152個ほどで、積み上げているコンテナは昨今の輸出需要の多さから確保するのが大変だったそうです。でも、また個展が終了すれば解体されコンテナは再利用されます。まさにリキッド化が加速する美術館。芸術品やお宝を所蔵するよりも、多くの感動を知ってもらうために、アートが世界中を旅することにより仮設空間を有効利用する今回の美術館の運営方式は、従来の美術館の建築手法を飛躍的に進化させています。

さらには、芸術品や高価な宝物を所蔵し続ける意義さえも考えさせられる気がします。人間と野生動物の「生」を捕らえグレゴリー・コルベール氏の作品とそれを包むコンテナ空間は、人間が本質に大切なもの…を真剣に訴えているような気もしてきます。本当に大切なものは何だろうという観念が頭をよぎり、将来のライフスタイルをも考えさせられます。

今回は、ニューヨーク、サンタモニカに続いての開催で6月24日までのオープン予定。また、現在六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーにてグレゴリー・コルベール氏の先行展覧会を実施しています。

<参考>
森アーツセンターギャラリー
グレゴリー・コルベール
animal totems: a prelude to ashes and snow
写真と映像で捉えた人間と動物との驚異的な交流の姿。

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February 07, 2007

「うねり」はフレキブルの象徴

Kokuritu_sin_m070204昨日の日経新聞の「春秋」に国立新美術館についての記事がありました。所蔵品を持たずに企画展や公募展だけで運営する美術館としての紹介内容でした。確かに今回の美術館は新しい試みで建てられた時代にフレキブルな存在であるのが大きな特徴です。アートやデザイン、建築などの情報源としてのいかに発信し続けるかが、運営の大きな鍵であるような気がします。

そういった点では、美術館の綺麗なガラスの「うねり」は最近のよく黒川紀章氏が多用されるデザインファサードのひとつですが、この国立新美術館のファサードが「時代のうねり」と重なり、ピタリと空間利用の印象とあっている気がします。記事の最後でも「所蔵というくびきから自由な美術館の姿はすがすがしくもある。」と結んでいました。

Kokuritu_sin_m0702041どうしても正面のファサードが印象的で話題となってしまいますが、個人的は後姿も実は現代の建築意匠を象徴するスッキリとした「美人」な建築であると感じています。しかしながら、地下鉄から直接乗り入れ可能となっているものの、美術館の周囲をグルリと一周「うねり」ながら散策できないのが、いまひとつ残念である…。

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February 05, 2007

国立新美術館を満喫...

Kokuritu_sin_m0700オープンして半月あまりの国立新美術館。冬の晴天にも恵まれ久しぶりに東京での写真栄えする建築を楽しんできました。

外観のうねるガラスのファサードが海のビッグウェーブを思わせ、太陽光線を眩しく輝かせていました。エントランスロビーのアトリウムは類を見ない広さで、逆円錐すり鉢形の巨大なコンクリート壁と波長をあわせてうねっているガラスファサードを内側から見ることができます。

Kokuritu_sin_m0701天井の高さは21.6mもあるとのことで、大空間のアトリウムは大勢の人を呑みこんでいても余裕の広々さ…。開放感のあるティラウンジとレストランは相当の人気で行列ができていました。ここは平日の静かなときに独り占め状態で利用したほうがよさそうです…。


Kokuritu_sin_m0706美術館の企画展では、3月19日まで『黒川紀章展 ― 機械の時代から生命の時代へ』が開催されていますが、黒川紀章のパワフルな作品の模型を中心に観ることができます。
そこで改めて感動したのは、1961年に提案した霞ヶ浦湖上都市の模型でした。

Kokuritu_sin_m0702DNAの二重螺旋型の構造をモチーフにしたメタボリズムの建築都市計画スケッチ画は拝見していましたが、模型でみるのは初めてであり、その迫力と説得力には驚きでした。
湖上の各住宅郡を繋ぐ都市道路と各住宅郡が十分な自然採光を受け、サスティナブルに再生可能なレイアウトになっている様子が一目でわかりました。

Kokuritu_sin_m0703今から40年以上も前のアナログの時代にこのような提案をされていたわけですから、黒川紀章氏の創造力に卓越したパワーを感じました。

都市の自然との共生を重視し、再生可能な都市計画であるメタポリズムが思想の原点であり、衰えないそのパワーが今の彼自身を支えている様な気もしました。侍姿の写真が飾られていましたが、相変わらず頑固な表情です。

Kokuritu_sin_m0704一方、企画展『20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―』では、コルビジェの静物画を拝見することができました。ポップアートでカラフルなデザインで著名なアンディ・ウォフォールのモノクロの大きな絵画もあり、これまた、意外な出会いに感動でした。開かれた「新しい場」がコンセプトの、国立新美術館。今後の企画展や公募展も楽しみです。

Kokuritu_sin_m0705

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