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January 29, 2007

談合は何故なくならないのか?

談合事件が絶えない。県知事が相次いで逮捕されている官制談合の報道が続いています。談合は何故なくならないのか?単純明快にその何故かを説くと、私は4つであると考えています。
それは、
1)発注者側に総合的技術判断能力と原価意識がいない点。(発注者の技術力不足)
2)それでも、発注者側が公共工事の業者選定の決定権を握っている点。(利権の集中)
3)私利私欲に満ちた官僚や知事・議員達がお金や選挙に票を必要としている点。(直接選挙の弊害)
4)そういった者達を利用して利益を確保しようとする業者に倫理観が喪失している点。(市場のモラルの欠如)
以上の4点に集約しているでしょう。お判りでしょうが、根本的には技術力とモラルそれに選挙のしくみの問題です。

談合がなくならない理由に入札制度についての問題を中心に論点としている方がいらっしゃいますが、それは根本的には違います。公共工事の業者を選択する方法を変えたところで、4つの原因が根絶されない限り、また、別な方法で談合は発生します。いままで幾度と無く入札方式を変えたところで、談合が無くならなかったことがそれが真実であることを物語っています。また、それを『必要悪』と名言する方々がいる限り、間違いないことでしょう。

つまり、残念ながら4つの根本的な原因がなくならない限り、まず根絶することは無いでしょう。だから、談合が存在するわけです。現状から判断すると、談合は正確に言うと『必要悪』ではなくて『必然悪』でなのだと思います。
だからといって、談合を肯定しているのではありません。税金を不当に費やしてしまうことは、当然ながら良く無いことです。『必要悪』であろうと『必然悪』であろうと、『悪』は『悪』です。できる限り談合を根絶に追い込む様に努力すべきであることは言うまでもありません。

では、どうしたら談合の根本的な原因を無くすことができるのでしょうか?

結論から述べると、1)の「発注者の技術力不足」と4)の「市場のモラルの欠如」については、恐らく無くすことはできないでしょう。つまり、現状の日本の行政と建設市場のありかたでは、談合は皆無にはならない可能性があるのです。

発注者は公務員や選挙で選ばれた方々であり、個々の公共工事について技術的な関与や実体験がありません。ですから、発注者のたちは自身の技術力不足を補うために、コンサルタントや設計監理会社にアドバイスを受けますが、これがいけない。コンサルタントや設計監理会社は結局ゼネコンやサブコンと情報交換をおこない、それらの一連の流れ自身談合の温床となっているのが実態であるからです。

発注者にとって都合のいいコンサルタントや設計監理会社がいなくならない限り、またコンサルタントや設計監理会社が総合的な技術力を頼るゼネコンやサブコンのモラルが市場の中にある限り、将来的に続くのです。行政である発注者側は『現場』を知りませんし、議員等も毎回選挙で選出されますから公共工事の建設業に関わる査定はでません。ですからこのような流れができてしまうのだと思います。

しかし、この日本建築文化は一途に否定はできません。何故なら、日本建築文化は簡単に言うと、昔でいう大工の『棟梁』に原点があるからです。ある程度の予算と間取りや仕上げの程度を相談すると、なんとなく要望にあわせてししつらえてくれる。出来上がってからも、ちょっと不具合があれば、棟梁に相談すると出向いて納得のいくまで修繕をしてくれる。そんな都合のいい文化に今まで肖ってきたのが事実であるのです。

家づくりの場合は、地域の棟梁に相談すればいいのですが、ある特定の範囲をもった行政の社会基盤整備ともなれば特定の棟梁にお願いする訳には行きません。なにせ48都道府県に対し、建設業は大中小あわせて55万社以上もある訳ですから…。当番制的に公共工事の担当を力のある大手ゼネコンが仕切る談合は、発生すべくして発生した様に思えます。

ですから現状の行政と市場から判断すると、いかに談合を皆無に近くなるような監視システムと行政の整備のするかが課題であると考えています。しかし様々な文献や知識人の発言が掲載される雑誌記事を読んだり、多様な専門家と意見交換を試み様々な懸案をみておりますが、どれもがズバリその解決策を出力するものにいたっていないのが現状です。

多少のヒントになるような検案に出会えたりアイディアができましたら少しづつでも紹介していきたいとは思いますが、従来からある文化を崩して改革を行うことは、古き良き日本建築文化のDNAを引きずり甘んじている建設業界にとってなかなか困難な課題であることは事実でしょう…。

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