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October 15, 2006

伊東建築から伝わる「ものづくりの原点」

先日東京オペラシティで開催されている展示『伊東豊雄 建築|新しいリアル』で伊東建築を体感してきました。

展示で印象的だったのは、岐阜県各務原市営の斎場「瞑想の森」の美しい屋根の形を再現した上を靴を脱いで歩く空間でした。うねった白い屋根の上を歩きながら壁に描かれた原寸大の施工図や大型の模型を実際の目線レベルで現実空間を想像体験できる工夫がされていました。

また、「瞑想の森」の美しい屋根の形は鉄筋コンクリート造で実現化されていますが、それをつくり出すための3次元曲線を形にした実際の施工手法のモックアップも展示されています。

現場の施工会社をはじめ、職人さんたちとも協力しあい、伊東氏の想像した空間を現実化させた軌跡をリアルに想像することできる試みは今までにない展示方法だと思います。

実際うねうねとした3次元床をどのようにして、型枠を組み鉄筋を加工・組み立てして、コンクリートを打節したのかを知るのには、現実大のモックアップが何よりも勝って語りかけてきます。

Mikimoto_ginza02展示には他にも、表参道のトッズビルの原寸大の施工図や型枠と鉄筋のモックアップや銀座のミキモトビルや仙台メディアテークやの施工図が壁に大きく展示され、各々独自の構造と施工技術を披露しています。

施工時の3次元曲線の屋根の生コンクリート打節する様子のVTRと仙台メディアテークの主体構造であるねじれた13本の鉄骨独立シャフト(チューブ)を施工する溶接しているVTRは、圧巻です
建築は頭の中や机上で想像できても、現実化することで初めて空間を創出し、リアルとなることを力強く訴えかけている気がします。

Omotezando_tods_bld伊東氏の最新概念である「エマージング・グリッド」にもとづく最新プロジェクト『台中メトロポリタン・オペラハウス』も、有機的な空間構成が無作為な曲線の集合体からに創出されたのではなく、展示の模型より巧みに構成されていることが体験できます。

今回のこの展示は、伊東氏が近年こだわり続けている「物質(もの)の力」のコンセプトが大変よく伝わってきます。比較的に長い期間の展示会となっていますし、斬新な伊東氏の3次元空間を現実化するのにどのように造られたかを一般の方にもわかりやすい形で展示されていますので、大変お勧めです。

建築のオモシロさは、アナログ的に協力し合ってなしえる技。「ものづくりの原点」ともいえる建築の心意気を伊東氏の独特のスマートさで伝えていました。


参考:
伊東豊雄 建築|新しいリアル開催期間:2006.10.7[土]~ 12.24[日]
会場:東京オペラシティアートギャラリー

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