SKY OF THE TOKYO(目白)
また、よく見るとコンクリートを打節したときの跡も見られます。コールドジョイントといわれるものです。難しい躯体をつくるのにあたり、かなりの時間をかけてつくられた息づかいが伝わってきます。施工当時は、コンクリートのポンプ車は恐らく無かったでしょうから、外部足場から一輪車で施工したのでしょう。想像するに、ものすごいパワーを感じます。
さらに驚くのは、コンクリート打ち放し仕上げ特有のPコンが、聖堂内は極端に少ないことです。Pコンは、コンクリートの型枠精度を保つ為のセパという金物と併用して使われる金物。どのように3次元空間の型枠を形成したのか、興味深いところです。施工時は大空間に縦横無尽に支保工が架けられていたのでしょう。
聖堂の内部空間は撮影禁止のため、残念ながら写真ではお伝えできませんが、この空間から受けるアナログ的感覚は、今の時代に不足している何かを感じさせてくれます。
教会の持つ神聖なるパワーと建築のものづくりにこだわるパワーとが重なって、聖堂内では茫然として鳥肌がたちました。建築の仕事に携わっていますが、ちょっと今スランプ状態。建築のものづくりの原点を感じたいと思い、ここに訪れましたが、元気を戴いた気がします。
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