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June 12, 2006

エレベーターの安全責任は誰に?

東京港区のエレベータ事故に関する報道が週末多くありました。シンドラー社の対応について批判的な意見が、各メディアからされています。確かにTV番組の映像からは何も語らない状況は、違和感あります。しかし、この事故については、もっと原因追求をおこない責任の所在を追及する必要がある気が致します。

というのは、周知のとおりエレベーターのメーカーはシンドラー社でありますが、保守点検の管理会社は異なっています。エレベーターそのものに欠陥があり、リコールなどをせずに隠している事実があるとしたら問題外ですが、使われているエレベーターの安全管理責任はいったい誰にあるのか問わなければなりません。

たとえばこの事故が自動車であった場合、どうでしょう。とあるレンタカー屋さんが、あるメーカーの車種を購入し長い期間乗り込まれた後、定期点検や車検等を安く済ますために、近所のガソリンスタンドや自動車整備工場でおこなったとします。その自動車を利用した人が、自動車の誤動作により事故で死傷した場合…。

やはり、自動車そのものに欠陥があった場合は別ですが、車を所持しているレンタカー屋さんと保守点検を委託された自動車整備工場に責任が多くあるはずです。一方、安全運転もしていたかの事実も再確認しなければなりません。自動車メーカーには、事故の責任は直結しないのが一般的です。

要するに、メーカーの商品に欠陥が無いとして誤動作による事故が発生した場合、所持者と保守点検者に多くの安全責任があるはずです。もちろん利用者の不安全な使用の無いことも条件になります。

しかし、シンドラー社のエレベーターは、報道から察する限りでは数多く誤作動があり、このほかにも安全不備が指摘され、死傷者を出している事実がありますので、欠陥商品がある疑いもあります。この辺の事実を的確に識別しながら、エレベーターの安全管理について、徹底的に調査する必要性があるのではないでしょうか。

このエレベーター事故についてはシンドラー社のとっている姿勢(態度)は、恐らく外資系企業の為、訴訟のことを意識しすぎた対応なのでしょう。しかし、メーカー責任として死傷者を出している事実があるのですから、欠陥商品の疑いについては、明確なコメントや情報提供をおこなうのは当然あるべき姿勢です。

競争の激しい業界だけに技術的に開示したくない情報もあるかもしれませんが、開示可能な範囲の説明も含めて、事故にたいする原因究明に協力的であるべきです。一方的に100%ノーコメントは、おかしな話です。

すこし前の六本木ヒルズの回転扉による挟まれ事故を思い出させますが、今回のエレベーター事故は長い間使用されていた点とメンテナンスが異なるだけに慎重に進める必要性もあるでしょう。関連している者達が、真摯に対応することが望まれます。

また、俯瞰的に今回の事故を考えますと、公共事業のコスト縮減優先の考え方も浮き彫りになっています。暮らしの安全・安心を確保するには、本来何を優先させるのか。また、どのような安全・品質管理が必要であるのかを見直す必要があるでしょう。

品質管理や安全管理とは何か?「管理」とはよく言われるようにP→D→C→Aサイクルを繰り返すことであり、点検やメンテナンスを実施したという事実だけでは不十分です。所有者や専門的に管理する者が点検等の結果や普段の使用状況により、本当に安全であり品質が保たれているかを判断しなければなりません。そして、問題がある場合は、再確認の方法を企て、行動をおこすことが重要であるわけです。(P:PLAN、D:DO、C:CHECK、A:ACTION)

チョッと他のものと様子がおかしいことに気づく『気づきの力』やそれを伝達する『コミュニケーション力』も現代社会において不足がちになってきていることも事実です。

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