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April 28, 2006

耐震偽装の真相解明と対策はこれから

26日に一斉に姉歯元建築士をはじめとして耐震偽造事件にかかわった8名が逮捕され、昨日送検されました。発覚から約5ヶ月もの歳月が経過してしまいました。耐震偽装そのものを行なった姉歯氏は当然刑事責任を追及されでしょうが、他の逮捕された関係者への責任追及は、実はなかなか困難なのではないかとも想像できます。

というのも、一斉逮捕の容疑は建築士の名義貸しや架空増資、それに粉飾決算であるからです。耐震偽装そのものの容疑については、一斉逮捕によってそれぞれ容疑者からの供述をとり、本題の事件については効率的に真相を聞きだし、解明に導こうとすることを目的ではないでしょうか。

でも、容疑者たちが当時、耐震偽装についてどこまでの認識を持っていたか?とか姉歯氏への関わり方を客観的に追求するのは困難なことかもしれません。具体的な指示や検査の対応について、当時関わった者たちにとって少しずつとらえ方に温度差があった様ですので、それをどのように客観的に評価し、刑事事件としての容疑や民事的な責任を追及していくかを想像すると、まだまだ時間がかかることでしょう。

一方、民事的な責任追求は具体的には進んでいないのが実情です。まだ多くの行き場を失った住人や大きな負債を負った住戸ユーザーやホテル事業者たちが、憤りと戸惑いを抱えています。耐震偽装対する国の助成方針も固まった状況ですが、これで一件落着という状況ではありません。発注者や購入者としてのリスクもありますが、可能な限りの救済処置が必要だと思いますし、まだまだ注目いく必要があります。

建築業界のよくも悪くも分業化され、あいまいな契約や仕様決定と施工のプロセスが交差している点が慣例化している状況にもメスをいれ、絡み合った糸をひとつひとつほぐしていくように原因追求をしていくことが必要でしょう。当然この事件は、検事や司法にまかせておけばいいものではありません。建築業界自らの体質が起こした事件といっていいでしょう。建築業界が自らが当事者の意識を持ち、それらに真摯に取り組み、再発防止の方策に取り組むことが必要です。

現在、耐震偽装の再発防止の為、法改正の格子が具体化されてきましたが、まだまだ時間をかけて議論を展開させることが大切だと感じています。現行の建築基準法において、「建築主」「設計者」、「工事施工者」の立場と使命は広義にしかとらえていません。さらには設計者は、実態にあわせて、構造・意匠・設備それぞれ設計の立場、役割を明確にすべきでしょう。

また、契約約款等にしか明文化されていない、「監理者」、「検査者」の立場と使命についても整理し、基準法にて具体的に定義づけ、当たり前の責務を各々立場の者がまず実践するべきではないかとつくづく思います。

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