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March 02, 2006

構造設計偽造問題の次にくるもの・・・

姉歯氏の構造設計偽造問題で、構造設計に対する様々なリスクが各専門誌で紹介され、行政も交えた対策案が次々と伝えられています。建築業界の体質として意匠主体の設計となっている点があげられ、今後、構造設計そのものに専門性の高さと権威付けをし、チェック機能を高める基本的な考え方の格子が浮き彫りとなってきています。

こういった方針そのものには賛成ですが、裏を返すと「意匠設計」の本質とは何ぞや?ということでもあると思います。今後時代の焦点は、意匠設計や基本設計そのもの向けられていくのではないかとも予感します。なぜなら、現在の日本の建築意匠設計は、発注者からのコストと工期のきびしさの選択から、設計の密度が一昔より薄いものになってきている傾向を感じるからです。

公共施設、事業所、生産施設や住宅に至るまで、白色系でガラスを多用したシンプルモダンな建築が氾濫しています。流行ですので否定はしませんが、設計図書のディテールを紐解いてみると、どこかの雑誌や過去物件からの全く引用している点が多いのが目に付きます。そういったものは、当然ですが、その建物に適した立地条件やコスト条件、メンテナンス性を考慮しているものはとても少ないです。残念ながら見た目の美しさが優先しているのです。

こういう設計行為は本来、構造計算偽造の問題で焦点にしている「技術者倫理」に逸脱している感が強く、限りなく「偽造」に等しいのでは?と最近強く感じています。意匠ですから、「偽造」でなく「偽装」でしょうか?…。本来「設計」とは、工期、品質、コスト、立地諸条件下でもまれ、それらを踏まえて洗練された上でデザインされるべきものです。

現実問題として、「設計図書」のなかには矩計図や詳細図のないものや細かな性能を明記していない仕様書もあります。実際施工する段階で、詳細ディテールを設計者が施工者や専門業者に頼ってまとめていることが多くあり、それが慣例になっているのが現状です。この行為は、はっきり言って「偽装」的設計行為ではないだろうか?

流行を追うことを先行し、実のない設計がまかり通っている建築業界の実態に、やがて社会のメスが入ることも時間の問題のような気がするのは私だけでしょうか?高度情報化時代のもと、建築建材や建築物用途別にコストが整備されていき建築のコスト構造が透明化してくことは必須です。本質を得た「設計行為」そのものに知的財産が評価される時代がすぐそこまで足音をたててやってきている気がします。

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