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November 24, 2005

構造計算書偽造問題について

構造計算書偽造問題について、業界の仲間達と情報交換をしているが、なかなか建築業界の重層下請け構造と専門職の分業・分散型事業形態の体質を利用し、現在のた悪質な犯罪であるという意見で概ね一致しています。しかし、原因追求や再発防止の為に建築業界の体質そのものを改善していくためには、困難極まりないという見解をしていることも事実です。その理由を細かく説明をする前に、まず、建物を建設するのあたって、大きな流れを説明しておきます。

実際に、ひとつのプロジェクトを成し遂げるには、発注者(建築主)が主体となる計画・企画から始まり、次に設計者主体の設計、積算業務が実施されます。設計青図のできた段階で、各施工会社に図面交付を行い、一般的には施工の意志のある会社より見積りを受領し、発注者は工事価格や見積り条件書等から施工業者を比較・検討し、選択します。

工事請負契約を交わしてから、実際の施工が開始されます。施工に当たり、設計どおりに施工されているか否かを確認するため、監理者がその業務を行います。一般的に発注者は、監理者とも監理者業務請負契約を結び、その業務を委託しますが、監理業務は設計者が行う場合が大変多いのが、現在の日本の建築業界の特徴です。

施工中は、発注者等の要望により設計図書に変更の必要性が生じた場合は、監理者が客観的にその変更要望を確認し、発注者と設計者に再確認を得る業務を行います。設計図書に疑義があった場合で設計変更の必要が生じた場合も、一般の設計変更と同じような過程を踏み、その確認を行います。

ただし、設計変更のコストについては設計者や監理者は査定を行いますが、実際の契約は発注者と施工業者が行いますから、コスト折衝は契約のその当事者同士おこないます。100%完璧な設計図書は存在しませんから、施工中に大小様々な設計仕様の確認をおこない建設していきます。

その為、施工の各段階で監理者をはじめとした各種の確認や検査を実施しながら建物をつくりあげていきます。建物完成時には、マンションの場合はエンドユーザーの内覧会まで実施されるのが一般的になっています。

完成後は、発注者が建物の維持・管理をおこないますが、一般的には専門のメンテナンス会社に管理業務委託をおこなっています。マンション等の場合は、エンドユーザーから構成される管理組合と建物管理会社とで維持・管理方法を確認し合いながら、マンションの手入れを実施します。

建物を建設するに当たっての当事者は、要するに大きく区分すると、発注者、設計者、施工者、監理者の4者となるわけです。

今回の姉歯建築設計事務所による構造設計偽造問題は、設計時の問題を発端としていますが、建物を建設するにあたり、その問題を回避できなかった、各段階の建築業界の問題点をあげていきたいと思います。
(つづく)

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