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July 31, 2005

いまどきの「書斎」の意義(2)

思えば、インターネットとユビキタス技術の発達で、かつて「書斎」でじっくりと調べた空間はあまり必要でなくなってきた気がします。インターネットで検索を駆使しれば、大抵のものは知ることができるからです。かつて本屋で探し当てて買ってきた書籍や図書館で苦労して探し借りてきた本をじっくり読む必要性が少なくなってきました。必要なときに必要な情報を取り出せる環境に社会全体がなってきた背景があるのではないでしょうか?

では、「書斎」の意義は現代において何なのでしょうか?逆に言うと調べることに長けたインターネットにない、劣っている点とは何でしょうか?私は、考えることとコミュニケーションすることであると思います。コンピューターは当然考えることはできません。また、メールやチャットなどのコミュニケーション技術はコンピューター社会で発達していますが、相手が誰なのかや自分との知識・専門性の差がわかりません。実際に信頼の生まれた両者が会って情報交換をしたほうがよいに決まっています。

会社の中でもいわゆる「会議」よりもブレーンストーミング的な「検討会」を開催したほうが、早い時間で有意義な結論が出たりすることがあります。一方で、SOHOと言うワーキングスタイルもあることから、会社の意義も活発な「コミュニケーション活動」を提供できるファシリティ施設という考えも最近では言われてきています。逆に言うと、会社でみんながパソコンに向かってじっと仕事をしているような会社はあまり元気のいい会社といえないのかも知れません。
(つづく)

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July 29, 2005

いまどきの「書斎」の意義

大手企業で40代のいわゆる若手の経営者が最近目立ち始めていますが、今週発刊され雑誌の「プレジデント」で『40代「勝ち方」分析』で、その「成功キャリア」達の経験や背景、実態、人材資質などが紹介されています。その雑誌で、書斎空間について興味深い記事がありました。

記事のなかで、東京ガス西山経営研究所長び西山昭彦氏が、近年の「成功キャリア」は、自宅に書斎をもっている人は少数派であったと紹介しています。かつて成功を納める者達は、自宅に書斎がありそこで思考し、思考したことが会社での原動力となって活躍していたと思われていました。ところが、「成功キャリア」は意外と休日など書斎に閉じこもらず、家の中の居場所で「定位置」決め過ごしている状況が多い様子であると伝えられています。

中高年での実態調査で「書斎」がほしいものの1位になることが多いと言われる一方で、書斎を持たない「成功キャリア」が多いのは、普段の仕事が激務である点や、その半面家庭でのコミュニケーションを大切にしている点、また、個人の力量的にどんな場所でもリラックスと集中できる点があげられ、その傾向の推測ができます。ユビキタス社会化の傾向でもあり、どこでも仕事をこなすことが可能となった背景があり、やはり、仕事のできるヒトは場所を選ばないということでしょうか。

仕事とOFFを上手く使い分け、スピード経営を可能としている「成功キャリア」の裏舞台が見えるような気がしました。

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July 27, 2005

宇宙に暮らすという感覚

以前から日本未来館から青森県六ヶ所村の(財)環境科学技術研究所にある「ミニ地球」の情報発信が以前よりありましたが、このほど一般報道関係者にも公開があり、各種新聞等に26日にその記事が見られました。「ミニ地球」は、閉鎖空間での居住実験室です。

密閉された約500㎡の施設内で2人の人間(「エコ・ノート」と呼ばれる研究員)と2匹のヤギが暮らすそうです。水や空気を循環して利用し、自給自足の生活をするといいます。今回の実験は1週間と短めであるが、今後最大で滞在期間が4ヶ月になるそうです。宇宙への居住空間の研究に一役買いそうですね。四季を通じた1年以上の滞在期間がないと、なかなか状況の変化があらわれにくいように思いますが、どのような結果がでるか楽しみです。

ところで、「エコ・ノート」さんは、自分自身の社会的な生活は実験のあいだ休止ということなのでしょうか?気になりますね。外部とは電話やインターネットで情報交換できるといいますから、ソフト的にはインターフェイスがあり、真の意味では密閉されていないと言えます。今回の実験の目的は、生きるために必要最低限の食物、水、空気などの物質循環を調査することだそうですから、その辺はあまり関係ないのかもしれませんが...。

つい先ほど、スペースシャトルの打ち上げが行われ、日本人宇宙飛行士の野口さんが宇宙へと飛び立ちました。“宇宙に暮らす”という感覚が、一昔前よりもずいぶんと身近に感じられる時代になってきました。

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July 26, 2005

首都圏の地震について

25日に首都圏を襲った地震にはびっくりしましたが、建物のエレベーター関連の事故や対応の遅れが浮き彫りになりました。私の住むマンションもしばらく止まり、上層階に住んでいらっしゃる方は苦労して帰宅した上に、たいへんな労力で階段を昇っていてお気の毒でした。蒸し暑い日でしたから...。

早くも政府が、鉄道の運行やエレベーター内の乗客閉じ込め対策に関する災害対策関係省庁連絡会議を開き、都市型震災対策を今秋に策定する方針を示しました。この対応については、早い対応でね。具体的で現実的な対策を期待したいです。首都圏の地震に対する対策をひとつひとつ実施することで強い首都形成につながっていくと思います。

でも、予想以上にパニックになる様子もなかった様にも思われます。首都圏一般市民の冷静な判断力も評価できるのではないでしょうか?強い首都を形成する上で、メンタル的にスキルアップすることも重要です。一定の危険予知を想定し、そういった行動指針や倫理的な指針を政府が示すことも大切であると思います。

ところで、今回の地震も満月付近に発生しました。やはり地震と月齢との関連あるのではないかと、気になりますねぇ...。

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July 24, 2005

今年度のBCS賞建築鑑賞ならここがお勧め

2005年度のBCS賞を受賞した安曇野高橋節郎記念美術館は長野県の穂高町にありますが、古くから“安曇野”と呼ばれ、自然と生活とが共存した豊かな地域です。漆陶芸作家の高橋節郎氏が生まれ育った場所であり、安曇野高橋節郎記念美術館には数々の作品が展示してあり、敷地内にと生家が再現されています。数年前に高橋先生の作品を陶磁器タイルにする仕事があり、高橋節郎先生とは一度お会いしたことがありますが、とても上品である一方で精力的な方です。

azumino作品にものそのお人柄がでています。漆の深みのある黒の上に金色で繊細に描く作品は、自然風景や動物をモチーフにしたものが多くみられます。穂高の自然豊かな生命力あふれる環境に影響されたのでしょうか。日本伝統の漆技術で繊細なタッチで描くパワーは見ごたえがあります。

ところで穂高町でよく知られているのが、ワサビ田とお蕎麦です。ワサビは、清らかで豊富な水があるからこその産物です。実際町にはあちこちに小川がまだ現存しています。その昔懐かしい「日本の故郷」を思わせる風景は、黒澤明監督の「夢」という映画のシーンにも登場します。それは水車の描かれる風景です。実際には、ワサビ大王農場の敷地の一部にある水車小屋とその周辺で撮影されています。(写真は初春に撮影したもの)

野生のクレソンや蛍の見られる場所もわずかですが、現存しています。黒澤明監督の愛した風景のそばに建つ安曇野高橋節郎記念美術館。そんな風景のなかに溶け込んで建っています。

安曇野高橋節郎記念美術館の設計は、プランツアソシエイツの宮崎浩氏が手がけていますが、「建築の立地する環境や条件を前提に設計をスタートするよう心がけています。」と言われるだけに豊かな自然の中に威圧感なく存在しています。自然と建物と美術の鑑賞をかねて“安曇野”にふらりと出掛けるのもいいですね。少し足を延ばせばあちこちに温泉もありますし、ちょっと涼しくなる秋まで待てば蕎麦も美味しいところです。

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July 21, 2005

東京の中でスコール体験

yuenosima03梅雨明け後、暑い日々が続きます。30度を越す連日の東京の蒸し暑さにはまいります。そんなときは夕立を期待したいですが、最近は夕立も少なくなった気がします。これも地球温暖化のせいでしょうか?

ところで、夕立というか「スコール」を東京で体験できる空間があります。夢の島熱帯植物館のドームです。熱帯植物の生い茂る大温室の中で体験ができます。また、なかには人工滝の下を通る散策路もあり、ちょっとした納涼体験ができます。大きな熱帯植物も圧巻です。熱帯植物館ですから、当然中は暑いですが、いきいきとした熱帯植物が生い茂っている為、気のせいか、そんなに暑さは気になりません。

yuenosima027、8月は子供たち待望の夏休みもでもあり、自由研究を手助けしてくれるイベントも準備しています。家族でスコール体験してみるのも楽しいかもしれません。

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July 20, 2005

若手クリエーターにエール!

先週偶然にもNHKテレビ番組で、若手クリエーター:佐藤オオキ氏が出演していたのに目がとまった。のびのびと新鮮な感覚でデザインに取り組む様子が紹介されていた。デザインオフィス「nendo」を創設し、創設とともに国際的に活躍している。元気よく華やかな活動をしている。

学生時代に卒業旅行でミラノ国際家具見本市を観て影響を受け、響くものがあり「nendo」を創設してから間も無く同見本市の「Design Report特別賞」を受賞している。
その様子は、日経アーキテクチュアの特別編集版「NEXT-A」でも詳しく紹介されています。「建築」というとある程度経験産業的であり、デザイン・設計・施工での現場経験がないと判らないものだろうと誰もが思うものですが、彼の勢いあるボーダレスな発想と活動に感心してしまいます。

テレビでも紹介があった見本市に出展した「SNOW」というテーブルは、確かに洗練された拡張性のある建築的なデザインです。インテリアのほかにも内外装の建築にも活動を広げており、その活躍は未知数です。今後の動きを期待したいですね。

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July 18, 2005

SWの創造力と徹底した表現力に圧巻!

映画「スターウォーズ~エピソードⅢシスの復讐~」を観てきました。毎回そうですが、画面いっぱいに、隅々まで映るもの全てにディテールの凝った演出をしているのには驚かされます。やはり、キャラクターデザインに目が惹かれてしまいますが、様々な惑星の建築空間もなかなか凝っていますね。惑星ごとやシーン毎にそこに登場するエイリアンやキャラクターイメージにあった建築空間をデザインし演出しています。

名前は詳しくわかりませんが、個人的には確かエピソードⅡから出てきている議会の空間が好きです。無数の円盤状の惑星ごとにある議員席が鮮やかなブルーのアウトラインネオンに輝く空間はダイナミックです。
他にも惑星の各都市の遠景が描かれていますが、近未来にそんなファサードデザインの建築物がありそうな気がします。金属の曲線を多用したようなもの、地盤や樹木の自然と融合したようなもの...。

ところで、“スターウォーズ通”のあいだでは当り前の様子ですが、「ジェダイ」は、ジョージ・ルーカス監督が時代劇が好きで、その言葉の発音からきているそうです。初めて知りましたが、ルーカス監督は、かなり日本ひいきみたいですね。ライトセーバーによる戦いも時代劇の立ち合いから来ているとか、R2-D2とC3-POは東海道中膝栗毛を意識しているとか...。

いずれにしても、見事な創造力とその徹底した表現力に圧巻でした。そのパワーが人気の最大の秘密である気がします。これで映画のストーリーは完結と言うことですが、例えば、ヨーダやを主人公として、脇役キャラクターについての生い立ちや秘話をテーマにした物語をたくさん作れそうな気がします。是非期待したいです。

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July 15, 2005

危険予知の最大数値に?

7.14付けの日本経済新聞に「東海」「東南海」地震が同時発生したときの東京での超高層ビルの揺れが最大3mになるという記事がありました。高さが280m級の超高層ビルを想定したシミュレーションで、長周期の地震と共振する場合とありましたが...。

3mも揺れるの?と思うと、びっくりしてしまいますが、実際には、地震は全く同時に発生する確率は小さいでしょうし、東京からそれぞれの距離と方角は異なりますので、全く同じ向きに長周期の振動が起こる確率も小さいはずです。また、地震の振動が地面から建物の最上部まで伝わる伝播速度と建物独自の制震装置による揺れの減衰効果もあるわけですから、実際には3mも揺れるのか疑問に思います。(現在ある超高層ビルでは、5~60センチは揺れる想定は、通常計算されています。)

“備えあれば憂いなし”で、安全を確保するのにこしたことはないですが、不経済な防災投資をあおる事になりかねないので、シミュレーションに疑問を感じます。また、記事より「超高層ビルが破損する恐れも...」とありましたが、混乱を招きたくないものです。記事の掲載のあった同14日にシンポジウムで詳しく発表されるとありましたが、シミュレーションでの条件を確認して安心したいものです。

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July 14, 2005

トップランナーから学ぶ「仕事力」

「仕事力」という本を買って読みました。(編著書:朝日新聞社広告局)日本のトップを走り続けている方々の仕事観をまとめた本ですが、建築家の安藤忠雄氏のコメントも載っています。コメントからは、安藤忠雄氏の建築に対する熱いパワーが伝わってきます。

“居眠りするような中途半端な走り方ではダメですね”と断言した上で「リーダーとなって走れ」と熱く説いています。どんな立場であれ、自分が全力疾走するリーダーになることで仕事に対する責任を強く感じ、走り続けてこそ社会貢献につながり、新しい価値観を見出せるとしています。

最近のビジネス書でも、企業力よりも個々人が自らの力を存分に発揮する事が、自分の為だけでなく、結果的に会社の為になったり、社会貢献につながっていくことが紹介されている気がします。全力疾走し続けることは、なかなか私のような凡人には難しいですが、ある期間を決めていつもより速度を上げて力強く走り出してみることが、実は大事である様に感じました。

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July 12, 2005

巨匠建築家を身近に感じました...

ル・コルビジェのことを紹介しましたが、彼が設計したサヴォア邸に関する展示を開催していることを知りました。
ギャルリー・タイセイで「6つのサヴォア」展が9月22日(木)まで開催されています。このサヴォア邸、実現までに5回もの提案がされていたそうです。で、展示のタイトルが「6つのサヴォア」展となっています。

一方、完成してからもこのサヴォア邸は、雨漏りや湿気でクレームの多かったとか...。興味深い意外な話に出会うことができます。巨匠によるかの有名な建物が、こんな経緯で建てられていたのは意外です。時代の先端をいく天才や独創性に富んだ功績は、繰り返しによる根性ともいえる努力と失敗の数々で構築されるのかも知れません。巨匠が少し身近な人物に感じられてきました。

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July 11, 2005

Sky of the Tokyo (上野)

seiyo_mus01東京国立西洋美術館。近代建築の巨匠ル・コルビュジエが設計した唯一日本の建築物。装飾性の少ない合理的なモダニズム建築の提唱者であるが、この何気ない東京国立西洋美術館の外壁を良く見ると、そのファサードは砂利石が洗い出しにされている。もしかしたらル・コルビュジエは基本設計だけなのでこのファサードをデザインしていないかも知れませんが、実に巧みな建築です。

どってことない様な気もするが、床面ならともかく、壁面でこんなに砂利が出っ張っている建築はあるだろうか?見たことがありません。どうやって施工したのだろうと考え込んでしまう。(美術館の正面にはロダンの「考える人」のブロンズ像がありますが...)

seiyo_mus00どう見ても多くの砂利が半分位、外壁から出っ張っています。この建物は昭和36年に竣工ですので、コンクリートを一輪者で打設していた時代です。砂利も今まで剥離した様子もなく、施工技術の高さが覗えます。

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July 10, 2005

まだまだ、都心型マンション人気健在!

昨日、広告費にかなり熱を入れていそうな某高層マンションのモデルルームを拝見してきました。今のプレゼンテーションには購入者を惹きつけるいろんな手法を使っていまして驚きました。2、3年前にも高層マンションのモデルルームを観に行ったことがありましたが、そのとき時よりもさらに拍車がかかっていた気がします。

大きな模型に、周辺環境を紹介する映像、モデルルームオプションの豪華さ...。現在の住まいよりも都心に住みたく、標準的なモデルを見たかったのですが、ちょっと豪華なのでビックリ。こころ揺れて購入したくなりました。でも、場所的にはすごくお気に入りですが、近隣に清掃工場があり、目線レベルに煙突がかぶることに気づき、保留..としました。風向きによっては、ちょっと臭気とか煙の影響ってあるのでは...と思いまして。

それにしてもセキュリティやパブリックゾーンの充実した都心型マンションが多くなってきました。利便性や行動エリアを考えると、往都心のアメニティの良さと往来の時間を無駄にしたくないのとで、私も都心派志向ですが、まだまだ供給される都心型のマンションには、多様なライフスタイルに対応した供給に勢いを感じ、楽しみです。

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July 08, 2005

Sky of the Tokyo (代官山)

monsoon00開店前のモンスーンカフェ
タイ料理中心の東南アジア料理のお店です。このお店はグローバルダイニングが経営していますが、料理に合わせた建築空間をも演出する多角的なレストラン経営で知られています。

ブッシュ大統領と小泉首相も来店した麻布十番の「権八」をはじめ、本格派パスタ中心のイタリア料理の「ラ・ボエム」、カリフォルニア料理の「タブブローズ゙」もグローバルダイニング傘下のレストランです。リラックスした空間で気軽に楽しく食事できる演出をしていますので、人気の高い理由もわかります。

場所によっては、レストランでウェディングも可能で、レストランウェディングの人気の火付け役でもあります。時代をリードする勝ち組経営者は、やはり人を引き寄せる建築空間の裏技も心得ているのでしょう。ちょっとしたインテリアや内装の工夫と演出で素敵なレストラン空間の造りこみをしています。さすがですね。

でも、開店前のドでかい駐車禁止用の赤コーンとのどかに打ち水している黒人店員さんがやたらと目立つ風景は、すこし笑えます。休日にこのモンスーンカフェで海鮮焼きソバを戴きましたが、傍らで食べていたカオ・パット(炒めご飯)がとても美味しそうでした...。

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July 06, 2005

Sky of the Tokyo (代官山)

hillside01代官山の旧山手通り沿いの建築といえば、「ヒルサイドテラス」がやはり、代表格です。言わずと知れた槇文彦氏の設計よる1967年来からのプロジェクトです。
緑豊かな住環境と商業施設を心地よく融合させているディテールは、住空間をひきたたせる為に、初期段階からミニマリズムを意識していた様に思えてなりません。街路空間に可能性を待たせ、第一種住宅地域をお洒落な店が並ぶ代官山を築いたのは、このヒルサイドテラスがあったからこそといえるのではないでしょうか。

hillside00考え込まれた建築空間には、街並み整備に巧みに絡みあって、その居住空間を向上させるパワーを持ち合わせています。東京にこのような美しいヒューマンスケールの街並みを増やしていくようにしたいものです。

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July 05, 2005

アスベスト問題:他人事ではないですね...

大手機械メーカー「クボタ」のアスベスト事件に関する勇気ある発表はショックでしたが、その社会的責任についての大きさを感じます。今回は、製品の製造過程に使用された石綿が、それに携わった労働者や工場周囲の住民に対して、石綿特有のがん「中皮腫」になった問題ですが、建設業界も他人事とは言えない気がします。

建築工事の場合、建築物等に耐火あるいは防音、断熱性、耐火性等を目的として、吹付けアスベスト、アスベスト保温材としてかつては利用されてきました。内装材、外装材及び屋根材として使用されてきた実績があります。もちろん現在は、使用されることは、まずありませんが...。

しかし、昔に建てられたそういった建築物の解体工事については、むやみに解体してしまうと、やはりアスベスト飛散の被害を起こしてしまいますので、平成4年7月に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」が改正され、飛散するおそれのある廃石綿(アスベスト)等については、「特別管理産業廃棄物」として、排出から収集・運搬、処分までの処理基準が定められ管理が強化されています。

では、実態はどうでしょうか?建築物を解体する際は、事前にそういった「特別管理産業廃棄物」の有無を調査しますが、小規模建築の解体工事や解体工事業者に建物所有者が直接解体工事を発注した場合など、きちんとした調査せずに解体工事を実施しているような状況が、ひょっとしたらあるのではないでしょうか?知らず知らず、解体工事の従業員や解体建築物の周囲の住民へ悪影響を及ぼしている可能性もあります。

建築業界でも他業界の事件として見過ごすのではなく、改めて一昔の建築物を解体工事や増改修工事を実施する場合、管理の見直しをすることが必要であると思います。

私も10年程前の若い時分、旧建築物を解体するにあたりアスベスト撤去工事に携わったことがありますが、内装材に使用されている金ゴテ押さえの仕上げは、一見素人では分別がつかない場合があります。また、アスベストのほかにも変圧器(トランス)等に使用されているPCBも「特別管理産業廃棄物」ですが、まず素人にはわからないでしょう。PCBの処理については、現在その方法がなく、地方行政の管理化で建物所有者が処理方法が定まるまで保管することになっています。安易に捨ててしまうと土壌汚染や直接人体の健康に及ぼすことが知られています。

いずれにしても、改めてアスベストをはじめ「特別管理産業廃棄物」について、所有者や管理者、使用者はその扱いについて再認識することが大切であり、的確な処置や対応を実施することが不可欠です。誤った処理を行えば大きな社会的責任を負うことが当然の時代となっています。

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July 04, 2005

悪質リフォーム業者に激怒!

週末のTV番組などで巨額リフォーム詐欺事件の話題が多く報道されていました。とんでもない全くひどい話です。建築関連で、特に一般の方にはわかりづらい構造系・設備系のいいかげんな指摘を行い、一方的かつ勝手に「施工」とは言えないど素人的な工事を実施していた事実には腹が立ちます。

こういった事件を防ぐには身近に住まいに関するアドバイスができる人材を配置したサテライトスポットが地域社会に必要な気がします。地方行政で整備することはできないものでしょうか。今後ますます高齢化社会や働く単身女性が増える社会に対し、そういった建築知識についての弱者をターゲットにした悪質な業者を無法に拡散することを防止する必要があると感じます。こういった業者の取り締まりと罰則について厳しく強化していくことが、喫緊に必要でしょう。

一方、新聞などの記事の表現で少し気になる表現がありました。それは、「資格なし、経験なしの職人...」といったもの。そもそも「職人」とは経験豊富な技術を身につけた技量者であるから、経験なしの...という表現はオカシイ。「ど素人」と「職人」をごちゃ混ぜにし、「職人」達を侮辱した表現にも聞こえます。また、建築に関する事業活動をするにあたり、建設業法上、資格の届出等を必要としています。特に増・改修工事などは専門的な知識と経験による差が大きく現れる工事です。そんな事業活動に対して営業許可がよく下っていたのだと不思議です。取り締まる行政側にも責任はあるのではないでしょうか。

現段階において、消費者側も大切な資産を守る意味では、自己防衛策をする事が必要です。増・改修工事についての基本的な確認方法は、身近な人を通じて専門家に確認するとか、単一業者でなく複数の業者に相談する等の対策が有効です。
それにしても、こういった事件がある限り、建設業の印象がよくならないと感じるのは、私だけでしょうか?とても残念です。

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July 02, 2005

住宅需要拡大作戦:秘策あり!

直接的な建築の話題ではありませんが、今日の読売新聞の1面に斬新な記事が載っていました。
住宅供給メーカーの大和ハウス工業が、勤務する自社職員異対し、子供がひとり誕生するごとに100万円を支払っているという内容です。
少子化社会である現代において、将来的に住宅需要拡大の要素であるため、そうしているのだそうです。また、三つ子が誕生した際に、既に300万円を職員に提供しているという。なんと、前向きかつ景気のいい少子化対策...!。夫婦生活の営みに気合が入ってしまいそう!日本全体の出生率が1.29ですから、何年後かにこの会社のみの出生率を調査したら、オモシロい結果が出そうですね。

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