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May 31, 2005

「インフィル」再考(18)

では実際に、スペースシャトルの「インフィル」な空間はどのようなものなのでしょう。「宇宙からの贈りもの」では、宇宙でのスペースシャトルでの生活を、宇宙科学について専門の知識がないわたし達に興味深く、しかもわかりやすく毛利衛氏が紹介しています。宇宙生活では、液体の取り扱いが容易でないこと、納豆が危険物扱いになってしまうこと、テーブルマナーや衣類について、マジックテープが大活躍すること、排泄の仕方などを、なるほど…と頷きながら楽しく読むことができます。

しかし、スペースシャトルの中のユニークな生活ですが、その裏腹は、生命体を維持するための精一杯の生活の作法であるのです。気軽に一歩外へと言うわけに行きませんが、スペースシャトルの外壁のすぐ外は地球上の生物がまったく生存不能な空間なのです。すべての人工物で囲まれた環境での生活空間であり、そこで実施されるミッションは、人類や生物の神秘を解き明かす為の実験にあたるものです。

スペースシャトルのオービタといわれる部分で仕事場となっているのがアッパーデッキ、生活空間となっているのがミッドデッキといわれる空間だそうですが、ミッッションによりアッパーデッキのスペースラブ(宇宙実験室)は組み換えられるわけですから、未来の宇宙空間に夢と希望を抱く人類の為の「インフィル」です。

また、そんなスペースシャトルの「スケルトン」機能は、未来の宇宙空間に夢と希望を抱く人類にとっての夢と希望を守る重大な「シェル」的な役目をしているといえるでしょう。まさに、これぞ現在における究極の「スケルトン&インフィル」です。
(つづく)

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May 30, 2005

「インフィル」再考(17)

気ままに綴る「スケルトン&インフィル」のコラムの続きです。
「ハウルの動く城」の建築物は実在しないので少し現実離れした話でしたが、ついでに実際の生活空間ともう少し現実離れした「スケルトン&インフィル」のネタを持ち出しましょう。壮大な人類の夢をのせて過酷な環境下で動く居住空間があります。また、その空間は目的によって模様替えも可能としています。おわかりでしょうが、スペースシャトルの内部空間の話です。

そのスペースシャトルの内部空間の様子と実際の宇宙空間でのライフスタイルを、宇宙飛行士として2度の宇宙体験を持つ毛利衛の著書である「宇宙からの贈りもの」で紹介されています。その著書から「スケルトン&インフィル」に関する一部を紹介いたします。

スペースシャトルの内部は、コックピットのある広さ4畳半程度のアッパーデッキと寝食をする6畳程度のミッドデッキと呼ばれる部屋からなっていて、ミッションに応じてスペースラブやスペースハブと呼ばれる実験室が貨物室に設置されるそうです。宇宙空間は当然空気のない真空の世界ですし、承知のとおり無重力空間です。また、様々な宇宙放射線が飛び交っています。宇宙空間の温度も、太陽光があたらなければ、氷点下数百度まで下がりますし、音のない世界です。

その過酷な環境の宇宙空間と区分する、スペースシャトル本体とそれを操縦するための機能やコックピットは、「スケルトン」にあたり、その他のミッションが行われるスペースラブやスペースハブは変更可能な模様替えのできる「インフィル」空間と言えます。外部の環境ではヒトは生存不可能ですし、現在繰り返し利用できる実在する乗り物のなかでは最速の乗り物です。それを踏まえるとスペースシャトルは究極の「スケルトン」機能をもった外郭です。

一方、スペースラブやスペースハブも、地球の物質的な限界という現実から人類の宇宙空間に対する将来の夢や希望を背負い、その確証ためのミッション毎にその形体を変える空間を備えるわけですから、究極の目的をもった「インフィル」機能言えるのではないでしょうか。
(つづく)

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May 26, 2005

Sky of Tokyo (汐留)

siodame日本初の鉄道、機関車が発着した停車場が再現されている。
足元の切石は当時正面玄関の9段あった階段の最下段として使われていたものだそうだ。
見上げると、そびえたつ汐留シティセンタービルと松下電工東京本社ビル。
新旧の建物がくっきりと青空に浮かぶ。

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May 25, 2005

Sky of the Tokyo (隅田川)

sumidagawa勝どき橋より佃大橋、リバーシティ方面をのぞむ。
あちこちの東京下町エリアの再開発が進む中、墨田川沿いの風景でのびやかな風景を見せる場所のひとつでもある。晴れた日は、川沿いを歩くと心地よい風を感じることができる。

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May 23, 2005

開かれた美術館に感動!

21se_mu金沢21世紀美術館を観てきました。「新しい文化の創造と新たなまちの賑わいの創出」を目的に設立されたこの美術館。さまざまな建築雑誌に紹介されいて、前から行って確認してみたかった美術館のひとつでした。

平面プランに大きな特徴があり、大きな正円形の外郭に矩形の部屋を配置しています。こんなプランで使い勝手がはたしていいのだろうかと思っていました。しかし、建築雑誌でみるこの美術館の評価は高いものばかり…。何で?と思い、ずっと自分の目で確認してみたく、やっと実現できました。


21se_mu01で結果は?というと、ビックリ。ちょうど、『妹島和世+西沢立衛/SANAA展』と『世界の美術館~未来への架け橋』の展示が開催されていましたが、スムーズに違和感なく美術館を拝観することができました。順路途中に光庭や見通しのよい廊下や開口部から周囲の様子を楽しむこともできます。単純な正円形のプランの中にいるなんて全く感じませんでした。

また、一般的に美術館は展示物を搬出入するバックヤードがありますが、この21世紀美術館には裏口的なものはありません。「美術館」というとなんだか敷居の高い箱物建築のような感じがしますが、この美術館はその外観からそんな印象は全く受けませんでした。近接する兼六園や市役所から自然にアプローチできるようになっています。外郭部には市民ギャラリー、デザインギャラリー、キッズスタジオ、アートライブラリーなどが配置され、親しみやすさがあります。

21se_mu02自然光を多く取り入れているの点も大きな特徴でした。シンプルなデザインや納まりも、コンセプトキーワードの「気軽さ」「楽しさ」「使いやすさ」がダイレクトに表現されていました。『妹島和世+西沢立衛/SANAA展』で21世紀美術館の設計プロセスで使われた模型の展示がありましたが、たくさんのケーススタディを実施していることを知り、高い評価に納得です。

この美術館のシンプルな平面プランは、入念にケーススタディを繰り返せば、建築設計は明快な回答を得られることを暗黙に提起しているようにも思えました。建築設計は、四苦八苦しながら平面、立面、断面を検討しつくりこみをしていくのが一般的ですが、「こんな設計手法もあるよ」とカウンターパンチを受けた感じです。

21se_mu04その他、いろんな作品やそのデザインに至るプロセスの模型等が展示されてましたが、3D-CAD等パソコンを多用化して設計されている時流のなか、案外アナログ的に創作活動をされているのに興味をもちました。SANAAの今後の活躍にも期待したいです。ゆっくりと楽しく拝観できました。

(老婆心でひとつだけ気になった点は、展示エリアの閉鎖時に警備員さんがたいへん苦労して廊下にある戸車付きの大きなガラス仕切りを操作していた点です。ガラス戸の戸先が大きく揺れていました。吊元の金具強度に金属疲労破壊を起こして故障し、怪我など起こさなければいいのですが…。)

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May 20, 2005

Sky of the Tokyo (葛西)

kyuedogawa喧騒の中の静寂。
狭間からの青空がいっそう眩しい。

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May 19, 2005

◆建築家の稼ぎ

高額納税者の報道があったばかりですが、新聞等でみる名簿では、1千万以上の納税のあった建築家は2人だけ…。黒川紀章氏と安藤忠雄氏でした。他にも著名で複数の書籍を出している方もいらっしゃるが、意外と高額納税者リストに、建築家の名は少なかった印象でした。恐らくきちんと節税対策ができているのでしょう。
それにしても芸能人に高額納税者の多いことに改めてたいへん驚きです。この場合は、宣伝とステータスの為にリストに頑張って載せているのでしょうけれど…。
夢を追いかける若者の為にも、建築家も頑張って稼いでいきましょう。

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May 18, 2005

◆ゼネコンの神髄と今後のゆくえ

一昨日の4月17日にNHKで放映されたプロジェクトXで、昭和38年に施工された「ホテルニューオータニ」の建築技術の紹介がありました。40階建てのホテルを、コンクリートの打設もポンプ車などない時代に、手押しの一輪者を用い構築し、短後期で完成させる様子は凄まじいの一言に尽きます。偉業ですね。携わった個々人の力量ははかり知れない苦労があったことでしょう。

ホテル上部の直径45mの巨大回転ラウンジ建設にも様々な人間ドラマがあったことに感動しました。大きなプロジェクトを短工期でまとめ上げるゼネコンの技術力と総合力は本当に頼もしく、パワーを感じます。

しかし、一方でふと振り返ると、素朴な疑問が浮かびあがってきます。番組の中で、着工時に設計図書がたったの1枚した無かったのにもかかわらず、施工を開始し完工させていった状況を紹介していた点です。確認申請はどのようにして取得したの?設計の立場は?監理者は?…と建設の為に必要なプロセス等をどのようにクリアしてきたが、不思議です。

設計不備でも現場の底力で何とか成し遂げてしまう。この姿こそが、まさに現在のゼネコンを築き上げたゼネコン体質の神髄がここで発揮された気がします。設計者、監理者の区別なく結果を導く牽引力は、良くも悪しくも現在でも建設業界構図の縮図を見るようです。

昨年のアテネオリンピックでは設計が間に合わない施設は、設計変更し間に合うプランに変更し完工させているのに対し、東京オリンピック時の「ホテルニューオータニ」の、何でも面倒なことはゼネコンの現場に頼ってしまえっ、何とかなるさ、という建設の仕方は、現在にも見られるゼネコン体質そのものであり、対象的です。

第2次大戦後の復興に全身でぶつかり結果を出す建築技術者たちのアナログ的行動力に頭が上がりません。しかし、余力のあったコスト時代とは異なり、現在では、現場で独自になかなか思い切った施工方法を考案することは難しくなっています。また、まして施工の失敗なんかは許されない時代となっている状況です。コスト厳しい時代の今日、難儀なことはゼネコンがすべて解決してくれるという、かつての「請け負う」ことによって技術が証明される体質やそういった努力がみとめられる美徳の時代は終焉させなければならないでしょう。

社会が国際的・グローバル化へ加速する状況を見据えると、設計図が完成していなくて建設工事の施工を進めるのは、やはりナンセンスです。着工前に問題点を建築家(設計者)は解決しておくことが原則であり、それができないのであればゼネコンはむしろ建築家から適宜技術コンサルフィーを受け取るのが正当でしょうし、設計者や監理者の立場を明確にし、その責務の範囲を識別できる業界づくりが、時流として求められています。

今、ゼネコンをはじめ、発注者、設計者、監理者の立場をみなおす岐路の時期に、建設業界は立たされているのではないでしょうか。

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May 17, 2005

Sky of the Tokyo (上野)

tyo_muz写真は東京都美術館の中庭のオブジェ。2mくらいの大きさがあります。現在、東京都美術館でアール・デコ展が開催されている。それを見た後、このオブジェが妙に気になったオブジェのひとつです。

アール・デコ様式は1925年パリの装飾美術・工業美術国際博覧会で紹介され、多くの産業に影響を与えた幾何学的モチーフの様式。肌で感じるアール・デコの世界から、当時の活気を感じます。
今回の展示で、建築分野での目玉は、フランク・ロイド・ライトのステンドグラス。黒と白のコントラストに原色の赤と黄色。どこか和風なデザインにも感じました。一方映像等で、マンハッタンのクライスラービルなどの紹介もあり、多くの人で賑わっていました。

個人的には有名宝石ブランドの展示の数々にため息…。魅惑されてしまいました。
手作業から工業化への変遷も、展示品より確認ができ、現代にも通じるアール・デコのデザインに感動しました。

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May 15, 2005

◆危険球を退けたヘルメット

つい先ほどのTBSの週末ニュース解説番組「ブロードキャスター」で、先日プロ野球のセパ交流試合でジャイアンツの清原選手が危険球を受けた話題を放送していました。その解説で詳しく紹介されていたのが、ヘルメット。危険球を受けた清原選手がそのとき使用していたヘルメットの塗装は、大きく剥れその衝撃の強さを示していることはスポーツ新聞等で話題になっていました。しかし、そのヘルメットうが西武時代から使用していたものであることをこの放送で初めて知りました。

TV映像に映るヘルメットの衝撃で塗装が剥げた部分は、確かに西武ライオンズカラーの鮮やかなブルーでした。清原選手は西部ライオンズ時に使用していたものを独自に黒く塗装してジャイアンツ仕様に変えていたのです。また、そのヘルメット自身も1980年まで西武ライオンズ時に野村克也氏が使用していたものだそうです。清原選手が入団当時に頭のサイズ合う大きなヘルメットが無く、たまたま野村克也氏が使用していたものとサイズがあい、それを使用し大切に使用し続けたと言うのです。

スポーツニュースで危険球を受けた時のスロー映像を見るたびに、間一髪のところで上手く避けている清原選手の瞬発力と首の強さに驚いていましたが、その報道でヘルメットにも守られたたんだという実感も伝わってきました。ヘルメットにも清原選手の魂が宿っている一方、大げさに言うとヘルメット自身にも何か清原選手を守ろうとする意思が働いていたように見えてきてしまいました。

このブログでは建築関連について話題としていて、「スケルトン&インフィル」でその相互関係についてメンタル的な面が大きく作用することを書いている途中ですが、道具についても同様に、ひょっとしたらヒトの熱い意思や魂が宿り、相互の精神的つながりを生み、そのヒトの行動力を大きく作用させるパワーがあるのかもしれません。

人間が社会的活を営む上で道具は、多種多様にわたり欠かせません。道具自身の進化や発展もめまぐるしいものがあります。新しい機能性にとんだ道具が登場するとどうしてもそちらに目や気が移り、変えたくなるのが日常です。ですが、ひとつの道具を大切に手入れしながら使っていく道具との付き合い方は、すばらしいことだと再発見しました。日本人は古く「八百万の神」として、森羅万象のものに魂が宿っているとして、ものを大切に扱ってきた歴史があります。
思えば、自分で使っている車や時計、ゴルフや釣りの道具…等等、大切にしていますか?清原選手を見習いたいですね。

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May 14, 2005

「インフィル」再考(16)

ソフィーもストーリーが進行するにつれてどんどん自分の生き方に対して素直に強い意思が表現されていきます。そして、それは彼女自身の姿にも表れていきます。自身の素直な気持ちが、姿や顔しぐさにあらわれているからでしょう。ヒトが何かに打ち込んでいたり夢中になっているときに、光って見えるのはこういったことなのでしょう。

ヒトでいう「インフィル」が確固たるものであれば、「スケルトン」である外見、肉体や骨格は、健康体であればヒトは誰でもきっと光って見えるでしょう。生きることに一生懸命の赤ちゃんは、裸んぼうのでも泣いていても笑っていても愛おしく感じます。ずいぶんと年老いた方でも時に仕事の一服時などに見せるなんとも言えない笑顔に幸福感を共有できるのは、こういったことが理由のだと思います。

ですから、仕事や遊びにかかわらず、ライフスタイルにポリシーを持っているヒトは特に、自然とインテリアやその生活スタイルに人となりが表現されるのではないでしょうか。生き生きとした生活や行動力のあるヒトは、基本的な生活やその殻である内装生活空間・インテリア空間をきっと大切にするからです。さらには、内装生活空間・インテリア空間が確固たるものであれば、その殻である建築本体の構造や外皮は、やはり健全なものであれば良いと考えるはずです。豊かに暮らすことを優先とするからです。

「ハウルの動く城」では、ハウルとソフィアが大きく気持ちが変わったときに、お城の模様替えをします。生活していくなかで転機となるときは、同じように思い切って模様替えすることが、ヒトを成長させるきっかけになると思います。少々家がカッコ悪くたって見栄えが悪くたって、賃貸住宅でも関係ありません。引越しをしなくても、進学や就職、昇格や昇給したり、あるいは何かに挑戦するとき、模様替えは、きっと新しいあなたを発見し成長させるきっかけとなるでしょう。
(つづく)

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May 13, 2005

「インフィル」再考(15)

「ハウルの城・・・」でも模様替えのシーンが登場します。ハウルの意思が更新されたときに一気におこります。重装備であったお城がどんどん分解し、軽装備なお城になってしまいます。また、ストーリーが進行していくにつれて、ますます簡単な「お城?」になっていきます。最後は空飛ぶじゅうたんのようでしたが...。

これはハウルやソフィアの生き様にかける行動力などの意思の固さと自分自身を着飾る殻の関係を表わしているようにみえます。行動力の意思が固いほど自身を着飾る殻は重装備である必要がなくなり、意思が弱いものは殻を重装備にしたくなるような人間の心理を描いているのではないでしょうか。

要するに、生きていく上で個人の生き様の意思の堅さ堅いほど、それを覆うものは簡単なものになっていく傾向を示している気がします。人間の精神や思想、発想力、意欲等を「インフィル」と考えた場合、自分自身の体の「スケルトン」は、「インフィル」を見通せる質実なものであることを表現していると思うのです。
(つづく)

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May 11, 2005

「インフィル」再考(14)

気ままに書いている「スケルトン&インフィル」の続きです。

話しは少し飛んでしまいますが、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」が遂に観客動員1500万人を突破しロングヒットを記録している様子です。また、既に6月より欧米をはじめ世界中で上映されることが決定していますが、国際的なその反響は、実に楽しみです。というのは、実は私は「スケルトン&インフィル」の本質を示していると感じているからです。

「ハウルの動く城」では扉のルーレット状のベルは、その色によって扉の向こう側が違うシチュエーションとなります。そのベルというかハンドルの色はその時に状況によって異なりますが、その色はハウルやソフィーの気持ちを示しているのではないでしょうか?気持ちは、その時の精神状況やものの考え方、意欲等によって異なります。

扉を開けるのは自分自身であり、その時の気持ち次第でいろんな場面に遭遇します。場面の遭遇の仕方は、自身の気持ちや意思次第で異なります。「インフィル」=気持ちであり、「スケルトン」=扉のそとの場面を示しているのではないでしょうか?
そして、その扉のシチュエーションの中でも自分の気持ちや意思の持ち方で行動の結果が異なります。

気持ちの持ち方ひとつで、行動力や立向かっているものについての結果が異なる様に、個々人自身が抱くが熱い想いがライフスタイルや人生観も変わることを宮崎駿監督は強く問いかけているのではないでしょうか。

ハウルの城は勝手に動いているのではなくて、そこに住むハウルやソフィーの想いによって動かされているのです。

ですから、ハウルの城がバラバラに分解しはじめても動いていたのは、もうそこに主人公ソフィーの堅い意思によって生まれた行動力があったからではないでしょうか。気持ちの入れ替えで自身の行動に変化が現れてきたとき、ソフィーの姿が世話好きの90歳のおばあさんにあったり、ハウルに恋する18歳の乙女になったり、マルクルの母親代わりの姿になったりしていたのではないでしょうか。それを言葉ではなく巧みに宮崎駿監督はアニメで描いている気が致します。

前に示したように、私は『ヒトの場合、自分自身の体を「スケルトン」と捕らえるならば、精神や思想、発想力、意欲等は「インフィル」であるといえるのでは?』と考えています。それを抽象的写実によって描いているのが「ハウルの城」だと思えてまりません。
(つづく)

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May 08, 2005

Sky of the Tokyo (青海)

oumi03連休中大勢の行楽客でにぎわっていたお台場。そのすぐ傍にコンテナ貨物船が寄港する青海流通センターがある。そこには海浜公園側とは打って変わった東京湾の顔がある。

oumi04喧騒とは違って、時折巨大な貨物船が寄港し、色とりどりのコンテナをヤードに運ぶ時空間のスケールの大きい様子が青海南埠頭公園から眺めることができる。海外の風を感じさせてくれる伸びやかな場所。晴れた日は、公園で釣り人やローラースケーターが気ままに遊んでいる。


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May 07, 2005

◆パンチング建材の可能性

flower_festival20054月30日、5月1日に第5回ジャパン・フラワーアレンジメント&ブライダルブーケショウが行われましたが、華ギャラリーコットンローズの展示にてアルミのパンチンッグメタル等を取り入れたデザインを一部支援しました。手前味噌ですが、春らしい瑞々しいデザインになった気がします。花は、元気が出るようなオレンジ系ピンクのガーベラでアレンジしていただきました。

ところで、パンチングメタルは近年、建築デザイン的に多様に使用されています。鉄製、ステンレス製、アルミ製と金属の材質も用途によって選択でき、比較的安価でオリジナルデザインもしやすいのが特徴です。また、特に最近では銀座Diorや表参道のLANVINなどの外装に取り入れられり、阿部仁史氏のプロジェクトでも、パンチングの孔の大きさに変化をつけてデザインすることにより、パンチングメタル建材の可能性を引き出しています。孔に変化をつけてシルエットを美しく見せることで、今後インテリアにも多様化されそうな材料です。

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May 04, 2005

「DOCOMOMO100選展」で省みる設計の真髄

残りわずか8日(日)までの開催であるが、松下電工汐留ミュージアムで催されている「文化遺産としてのモダニズム建築:DOCOMOMO100選展」を観てきました。

「DOCOMOMO」は、ぱっと見るとNTT関連?と勘違いしてしまいますが、近代建築を文化遺産としてとらえその意義を見直す機会を呼びかけている国際組織で、The Documentation and Conservation of building,sites and neighborhoods of the Modern Movement が正式名称です。1988年にオランダで設立された組織で、世界40カ国をこえる国や地域が参加指定しているそうです。今回はその日本版の厳選された100点の写真と貴重な模型や設計図の展示である。(参考:汐留ミュージアム発行のチラシより)

歴史の中で、その社会背景と格闘して洗練されて現実化されてきたモダニズム建築をできる限り、残していこうとする動きには大賛成です。

一方、拝観して非常に感動を受けたのが、やはり設計図。原図と思われるものが幾つか展示してあった。中でもいわゆる巨匠達の図面がすごい。何がすごいのかと言うと、描きこみがである。細部の仕様やディテールが細かく描かれていました。当時は、トレーシングペーパーに鉛筆書きが当たり前であるが、そのひとつひとつの線に対する各建築家の熱い想いとパワーが伝わってきます。

特に印象的であったのが、
□丹下健三:広島ピースセンター、東京カテドラル聖マリア大聖堂の断面図、国立代々木体育館のそれぞれの断面図(S=1/50)、
□清家清:森博士の家の一般図(S=1/200)、
□前川國男:神奈川県立図書館・音楽堂の矩計図(S=1/20)、
□菊竹清則:スカイハウスと東光園の矩計図(S=1/50)、
□吉村順三:NCRビルの矩計図(S=1/20)、
□黒川紀章:寒河江市庁舎の矩計図(S=1/20)
□ル・コルビジェ設計の国立西洋美術館の青図
などです。

どれもが構造断面も当然、図面スケールは小さいながらも仕上げの納まり仕様、曲線などの曲率も細かく描かれていました。また、巨匠達の直筆サインが図面に書き込まれている設計図もありました。吉村順三氏の設計図には照明器具や設備の配管までもが、また、黒川紀章氏の設計図は屋上のパラペットや金属屋根の端部を示しルーフドレインの断面まで丁寧に書き込んでいる断面図を覗うと、そのディテールに対する気持ちの入れ方や造りこみへのコダワリを感じられる。線の強弱や濃淡までも最も洗練されていたのも黒川紀章氏や前川國男氏のものであった。各々きっとこの辺の納まりに気を遣ったのだろうと想像しながら設計図を眺めていると時間を忘れてしまうほどであった。

現在CAD技術が発達しているが、完成レベルの設計図でさえも断面図に省力化が多く見受けられる状況であったり、総合図は施工業者が描くのが当たり前だと勘違いしている設計者が多い今日、設計業務の原点を見たようで非常に感銘を受けました。意匠、デザイン先行よりも各必要事項をいかように納め、使いやすく、機能的に、安全に美しく形づくるのが「設計」であると頑なに実感した次第です。

入館料の¥500-(大人)を考えるとたいへん良心的であり、必見の資料がたくさんありました。

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May 03, 2005

◆体で対話する建築空間2

再放送でしたが、先日の日曜日の朝にNHK番組で、『課外授業ようこそ先輩』で最近で話題の荒川修作氏が登場しているのをみました。「奇想天外の家」をつくることを子供たちの課題に人間の五感の大切さを伝える番組として構成されていました。

はじめは荒川氏の教室での説明にチンプンカンプンだった子供たちも、実際の荒川先生がつくられた養老天命反転地や志段味循環型モデル住宅を訪れ、曲面や段差のある床、変化のある天井や壁、出っ張りのあるいびつな家具、それらを通じて人間の五感回復の重要性について感じてました。

体で感じることで荒川先輩の教えを実感し、子供たちも「奇想天外の家」のユニークな模型を楽しそうにつくっていました。将来、なかには頼もしい建築家があらわれるかもしれません。

建築雑誌「アーキテクチャ」の最新号でも、荒川修作氏の三鷹で施工中の天命反転住宅が紹介されていましたが、TV番組は荒川氏の生の声も聞くことができ、その思想は記事で読むより明快でした。また一方で、その思想は、医療・リハビリの学会にも注目されている状況です。

建築に対するテーマは先に紹介した阿部仁史氏の建築と同様に「身体」。しかし、阿部氏は身体を通じて「心地よさ」を引き出しているのに対し、荒川氏の建築は「身体」を通じて「苦痛」を呼び起こしているのが対象的でオモシロイ。いずれも、「身体」=人間の五感を通じての環境との対話を主張されていますが…。

荒川氏が表現する建築は、挑発的で、実際には人間の五感に対しては有限な空間になってしまうのではないか感じます。なぜなら固定された空間に対しては、人間は学習能力が働き「慣れ」から五感がやがて鈍ることも予測されるからである。そのため、住宅の限度を越え公共建築にて実践されるのは難しいかもしれない。今後の動向に注目していきたいですねぇ。

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May 02, 2005

SKY OF THE TOKY(勝どき)

kachidokibashi勝鬨橋。
ご承知の様に、かつては大きな船が通るたびに跳ね上がっていた橋。自重を支えるたくましい鉄骨のシルエットが青空に寂しげだ。

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