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April 17, 2005

◆歴史的建造物再生への取り組みに期待

4月15日の建設通信新聞によると、歴史的文化的建造物の適切な活用を支援するため、国土技術政策総合研究所は今年度から、「歴史的文化的価値を有する高齢建造物の再生と活用に関する研究」に取り組むという。
歴史的に価値のある建物を再生させ、活用していくことは、技術的にも、古い建物を壊し新しいものをつくることよりも技術的に難しく、コストも大変かかるものです。再生後も維持、保存に労力やコストを必要とします。しかし、それにもかかわらず、このような動きがあることは大変うれしいことです。

研究活動の紹介でも、まちづくり、景観形成、地域の活性化を目的にあげているが、市民が歴史的に価値ある「建築物」に関心をもち、当時のライフスタイルを知ったり、変わりゆく時代の流れの中の生きている実感を持つ機会を与えられることそのものが価値あることであるからです。温故知新として学び取ることができるものがたくさんあるはずであり、「今の時代」を考えるきっかけになるからです。

ヨーロッパの歴史ある都市や建物群が美しく残されているのは、市民が直接、まちづくり、景観形成に携わってきたことが大きな理由のひとつです。建物を再生したり、街並みを整備してくことで市民活動や地域のコミュニケーションを活性化させ、時にはそこに新しい文化や発明、文明までも創造したりすることがあります。

建築家の安藤忠雄先生も著作の「建築に夢をみた」の中で、パリの街が歴史的な街並みへとつくられてきた背景に市民の「住まい方」や「街並み」への関心の高さを指摘しています。個々の建物が特異的なデザインで乱立する日本の都市は、ある意味で街並み全体が生き物のようであり、オモシロく自然な姿なのかも知れません。しかし、やはり「街並み整備」としても、今回取り組まれる国土技術政策総合研究所の研究のように、時空間に重点をおき、ある一定の条件やストイックさを持って取り組んでえたほうが、豊かに発展していくと思います。

都心では都市再開発や超高層マンションの建設が無造作に各ディベロッパーごとに進められています。地域の市民を含め、各企業間も連携した街づくりの機会を必要としている時期になっているのではないでしょうか。

国土技術政策総合研究所の研究の対象となる建物は「歴史と伝統のある都市や町の旧市街地に存在する、大正、昭和初期に建てられた公共的建築物」であるそうであり、「街づくり」自体には直接関わりはしない様子であるが、行政側の今後のこうした動きに対してのコンソーシアムを含めたコスト面や技術的な支援を期待したいです。

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