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March 01, 2005

◆建築設計者と現場技術者に今強く思うこと(後編)

やはり若い現場技術者にあれっ?と思うことが多い。現場監督員がまともな図面チェック能力や現場の段取り、工程表の作成、施工計画ができなくなっているのが目立つのだ。適当な工程表を描けばあとは専門工事業者のみなさんがやってくれると勘違いしているヤカラが多い。現場を納めるには当然ディテールを的確に判断する能力が必要である。しかし、それができていない。

先に述べたように、見てくれだけの設計図やどこかのメーカーに描かせそっくり取り合いも考えずに引用したいい加減な設計図が目立つわけだが、その設計図を現実化するために施工図とする能力が劣ってきている。施工をする為には当然つくりこむ順序、作業をするための姿勢を考慮し、設計者の意図するものを実現化させるわけであるが、造りこむ為の技術もガタガタといった具合である。

建設業界も最近かつてとは違って現場でも監督員ひとりに1台ずつコンピューターが用意されている。高度情報化の時代であるから仕方が無い。時代の流れに乗るのは当然であろう。日々会社からの通達や最新情報、CADデータの送受信をインターネットやメールを通じて行っている時代になった。現場監督は大忙しである。

しかし、ここで今気づいて欲しいのは、それらの殆んどの業務に「思考する」ことが含まれていないことだ。プロバイダーのように、来た情報をそのまま次の部署や他部門へ流しているものが殆んどなのである。現場監督が「思考する」ことを避けている様に見える。ただ現場のなんとなく次の作業の手配を携帯電話でしているだけの段取り屋になっている者が多いことか...。テレフォンエンジニアと呼ばれても仕方がない。おまけにISOのこともよく理解せずに、ただ書類を整備することが品質管理であると勘違いしている者もなんて多いこと。

「ものづくり」はもっと拘ってワクワクしながら行いたいものである。幼い頃にプラモデルや模型を作った経験の持ち主であれば、どうしたらあの店頭のガラスのショーケース飾ってある様なスゴイものができるのか、一生懸命、工夫した経験があると思う。その工夫が「ものづくり」の「思考力」である。「ものづくり」が好きであるから建築の道を選んだ者が多いのではないだろうか?また、設計者や現場技術者に今必要なものはそういったワクワク感を導く「思考力」なのではないだろうか。

情報が氾濫しすぎた情報過多の時代に必要なのは、「思考する」ことである。氾濫している情報のなかから本当に必要なものを取捨選択し「思考して」扱うことが重要である。

現在、社会基盤整備をしていくために高度情報化へのインフラ整備を進められているが、整備されればされるほど「思考力」が必要とされる時代がすぐに来るであろう。「知識社会」の到来である。いずれはさらに高度な専門的知識を必要とする人材がサテライト的に地域や企業に必須とされる「高度知識社会」の時代がすぐに到来すると予感がする。

建築業は経験工学的であり、人間同士のコミュニケーションで成り立つ業種である。便利な世の中であるが、建築はボタンひとつ押したところで成り立たない。幾重にも人の思考や動作が重なりあって成就する。ある意味でアナログ的良さが存在する業種である。人材が頼りである業種だ。

人間力のすばらしさを再認識する為にも、建築に携わる若い設計者と現場技術者が「思考力」を武器に骨太に育つことを強く望む。

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