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January 30, 2005

◆小千谷総合病院のスタッフ力(後編)

「小千谷総合病院のスタッフ力(前編)」の続き
内線電話が通じなくなった為、病院内で使用されているPHSを使ってスタッフ同士の連絡を取り合い確認しあった。横森院長の指示通り、まず1階に確実に避難させようと...。高齢者の患者さんの中には担架で移送しなければならない人もいた。ところが、階段の踊り場部の幅では担架では回りきれない。しかし、病院では日頃避難訓練でシーツを利用した患者さんの移送訓練を実施していて、それが大いに役立った。4人一組になってシーツの4隅をもって患者さんを運ぶ方法である。あわてず確実に上の階から順番に1階まで患者さん達を運ぶ。シーツの持つ手が足らないときも大きな声で呼び合い確実に4人になってから助けあって運んだそうだ。なので、高齢の患者さん達もあわてなかったそうである。

人工呼吸の必要な患者さんは、発電装置が稼動しなくなってからは手動の呼吸器に切り替えられて交代で病院スタッフが見守った。でもこのままずっと、この状態を続けるわけにはいかない。地震直後から携帯電話がなかなか繋がらなかったが、何度も繰り返す中長岡市内の被害の少ない病院にようやく連絡がとれ、重症患者さんらの受けとりをお願いし移送先が決まりる。病院の機能が復旧されるのに目処が判らない為、確実に患者さんを守れる施設に移動すべきであると横森院長は判断し、受け入れ先の病院に説明し快諾を受け入れていただいたそうである。こうして重症患者さんは救急車で無事長岡市の病院に移送されていった。

落ち着いた病院スタッフの皆さんの行動から次々と信頼も生まれてくる。強い余震が多く続いたのが新潟県中越地震の特徴であったが、病院スタッフの中には患者さん達の命を救うのが使命であると死の覚悟までした方もいたそうです。また、患者さんたちも一人ずつ1階への避難する為、かなりの時間を要していたのですが、避難する順番なども患者さん同士譲り合ったそうだ。最後の患者さんが1階に避難できたのは午後9時を廻っていたといいます。不安を抱えながらも1階のロビーに布団を敷き詰め地震発生当日の夜を、みんなで励ましあって過ごしたとのことです。

翌日は、免震構造の「水仙の家」が安全であると判ったため、すでに当日近所の方がたが400名以上避難していましたが、弱者優先ということで、近隣の皆さんに理解を求め患者さん達の避難のスペースを確保。そして次々と総合病院の1階に避難していた多くの患者さん達を「水仙の家」に避難させたということです。その後、小千谷総合病院の機能復旧を待ちながら、このように分担して患者さん達への配慮を協力しあったのです。

無事に220名以上もの患者さんに怪我ひとつさせなかったのは、この様な病院スタッフのネットワークある行動力で助け出したからなのである。小千谷総合病院のスタッフ全員が日頃訓練により災害時にどんな状況に陥るのかがリスクヘッジできていたのであった。また、いざと言うときのスタッフ間の連携は見事であったといえる。

貴重な話を横森院長よりお聞きすることができ大変感謝をしております。実際にはもっと詳細に臨場感ある内容を約40分間にわたり話をしてくださいました。本当にありがとうございました。今回の新潟県中越地震時における小千谷総合病院のスタッフの皆さんの行動力とチームワークによるご活躍には頭が下がります。

緊急時や災害時に備え安全で安心した生活を確保するうえで、特に医療施設をはじめ、公共諸官庁施設、インフラ整備・情報関連施設等に「免震構造」の建物を整備し社会基盤整備していくことは、大変重要であり有効であることを再認識しました。しかし、それと同時に、いざと言うときに危機を脱せるパワーの源となり、最も重要不可欠なものは「人間力」であることを実感しました。今後医療学会等の発表で今回の事例を横森院長により各地で講演される様子です。
(完)

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