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January 16, 2005

◆「アーキラボ」で感じたこの数年間は建築業界のカンブリア紀!

六本木ヒルズの森美術館で開催している「アーキラボ:建築・都市・アートの新たな実験展1950-2005」を見てきました。20世紀後半の建築を都市構築の観点から年代別に「脈動する都市」「終わりなき都市」「解体される都市」「文脈化する都市」と題し、事例をFRACサントルの資料にポンピドゥ・センターの所蔵品と日本の建築家の資料を加え紹介がされていました。

「脈動する都市」では有機的な建築を当時の建築家達がインスピレーションを中心に表現をしていたのが覗えた。とてもユニークでこれを当時競い合ってデザインしていたと言うと失礼であるが、すこし滑稽にも思える。イオネル・シャインのプラスティック製住宅を施工している映像があったが、なかなかアナログ的かつ力技的でありオモシロかった。また、その他最も建築的で美しいと感じたのはダビッド=ジョルジュ・エメリックの「張力で自律する構造体」の模型であった。当時の技術で実在する建築があればよかったのにと残念に思う。実現されているのは約10%ほどであるそうだ。

「終わりなき都市」の展示ではメガストラクチュアの建築を残した黒川紀章と菊竹清則の講演映像が興味をひいた。熱く語る建築と都市への想いが伝わってきました。改めて日本を代表する建築家の功績の偉大さに触れることができた。理想を追う心の熱さに現在の冷めた時代が恥ずかしく思う。

「解体される都市」ではアートに押された建築(と見える)を紹介している。このエリアの展示はすこし理解し難い。展示作品ではアートと建築が融合し始める世界を紹介している。しかしあえて分けるのは議論を呼ぶかもしれないが、そもそも建築とアートは異なると考えている。アートはあくまで自己主張を究極な形でデザインしたものであり、建築はニーズの中や周囲の環境、そのほかストイックな条件の中から洗礼を受けてデザインされたものであると私は区別しているからだ。従って、私としては強引なまでのアート化した建築(都市)が羅列してあると解釈した。主張の強い尖がったユートピア描写を感じた。

「文脈化する都市」では1990年代から現在までの最新建築手法が紹介されていました。とくにごく最近のコンピューターをツールとして用い、設計プロセスに用いられている例があげられていた。実在する自然やロケーション、自分の概念を形状で表現しプロコトル化し自分の建築としていく様子がよくわかる。周囲の環境との対話が都市概念への一歩であることに気づく。現在は住宅建築や一部の元気のいい業界の建築でこの「実験」がされているが、今後大きく加速し大規模建築や都市計画にもこの手法は用いられて渦巻いていくことを感じ取れる。

都市からのアングルで建築をみているが、高度情報化社会と住環境に対する多様なニーズの融合が今後のテーマであり、それを実現させる為の手法として今後ともコンピューターが大いに期待されることを的確にとらえている。ただ、コンピュータを手軽に使用できる様になって、自由度の高いデザインが可能であるからといって、建築を無造作にアート化してはならないと思う。あくまでも、コンセプトや概念を具体化する為や複雑なデザイン・形状を確認したり構造解析するために活用すべきである。ツールが武器化することでより、いっそう建築家はアナログ的な発想や求められる建築の真のニーズ、使われ方や存続性、対環境等を捉える能力が問われるようになるであろう。

しかし、やはり一方でコンピューターを使った表現が有実無実の境なくボーダレスで一気に放出される様になることは必須であろう。DNAが一気に多様化したカンブリア爆発のように、もしかしたらこの数年間は建築業界におけるカンブリア紀になるかもしれない。

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