October 19, 2016

IOCバッハ会長の発言から

IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は、総理官邸で安倍総理と会談し、東京オリンピック・パラリンピックの複数の種目を東日本大震災の被災地で行う構想を提案したことは、たいへん前進的なことだ。

葛西臨海公園隣地に建設しようとしているカヌースラローム競技場は、恒久施設である場合、維持費に年間1億4千万円以上かかるのが明らかになっている。

カヌースラローム競技は本来自然の中で行うスポーツであるため、国際競技に対応可能な福島県二本松市福島県二本松市阿武隈川域の既存施設をある程度オリンピック競技場として整備し、開催することが有効であると考える。

フラットウォーターのカヌー競技場ばかりが現在話題となっているが、カヌースラローム競技場についてもキチンと精査してほしいものである。

なお、阿武隈川流域でのカヌースラローム競技の開催は、2012年10月26日にすでに東京都にDEXTE-Kが提案している内容である。

朝日新聞「東京五輪、被災地で一部実施を バッハ会長が首相に提案」

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August 02, 2015

新国立競技場建設/ゼロベースの計画見直しから言えること

新国立競技場の建設がゼロベースで見直しされることが決まった。
少子高齢化の加速する日本にとって、今後巨大でメンテナンスコストを多大に費やす施設はやはり造らないほうが適切な判断である。

しかしここで最も残念であった点をあげておく。それは今回の計画見直しは市民団体の意見から発したものであり、これまで関わってきた建設業界の専門家の面々が多数いるのにもかかわらず、直接の建設関係者から冷静な意見が発せられなかった点である。
当初、騒動になる前に建築家の槇文彦氏の的確な問題提起があったが、今回の建設計画に直接関与していた訳ではない。

デザインコンペ、基本設計、実施設計段階のいずれの段階においても、時代にあったものか否かを直接の建設関係者の中から疑問視する意見が公に発せられた経緯はない。オカシイと判っているのにもかかわらず貝のように沈黙を保っていたほうが、巨大国家プロジェクトに携われる名誉が得られる点と大きな利鞘利がまわってくる点を確信していたからというのが本音ではなないだろうか。

復興五輪を謳い招致が決まった背景でメインスタジアムとなる公共施設として本当にふさわしい施設なのか、今後の超少子高齢化社会を迎えるにあたり持続可能な社会構築を鑑みれば、冷静な有識者であれば判断できるはずだ。にもかかわらず…なのである。

発注者側や設計に携わった建設関係者は、大局観を見失って猪突猛進してきた点は大いに反省すべきてあろう。

コストが増大した直接の問題点は様々なマスメディアが報道している通り、
①発注者側の専門知識不足と責任者の不在
②設計者の技術不足
③実施設計を施工者が支援したことによる競争入札原理の喪失
④建設関連コストの増大
があげられるが、いずれにしても直接の関係者による俯瞰的視野さえあれば、「このプロジェクト計画は誤っている」と途中段階で冷静に判断できたであろう。

今後は発注者の立場であれ、設計者の立場であれ、施工者の立場であれ、建設業に携わるものは少なからず何かの専門家であるか技術者であることには変わりないのだろうから、俯瞰的な視野や客観的な判断能力を備える力量をもつ人材が不可欠である。

社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して持続可能な社会の実現に貢献する、倫理観をもった人材が活躍できる社会地盤を作り上げていくことも必要である。

特にオリンピック景気をいいことに建設業界は有頂天になってはならない。今回の件で襟を正し、頭をリセットすべきである。

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April 26, 2015

sky of the tokyo(表参道)

表参道周辺で新緑と青空に映える新旧の建築…。

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April 22, 2015

技術者の倫理を再び問う。

オリンピックの追い風を受ける建築業界であるが、今年になって東洋ゴムのデータ改ざん問題が発覚した。

東洋ゴムは、建設業での売り上げよりもタイヤ業での売り上げを多く締めるゴムメーカーに過ぎないが、建築業界で働くものとしてはたいへん遺憾であり、腹立たしいことだ。当然建物所有者にしてみれば寝耳に水で、いっそう晴天の霹靂であったことであろう。今だにその収束手段というか、解決方法がはっきりしていないのが現状だ。

しかしどうして技術者が倫理的な行動をとれないのか?日本の産業そのものの労働環境の悪さが背景にあるのだろうか?悲しくなる…。

どんな環境においても技術者たるもの、倫理を反するような行動をとってほしくはない。そう強く感じる今日この頃である。

今後、2020年に向けて建設技術者は最繁忙期をむかえることになるが、決して忙しさにかられて倫理を外す様な行動をとらぬように、肝に銘じてほしい。

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May 12, 2014

新国立競技場/伊東豊雄案について

今夜、緊急シンポジウム「新国立競技場のもう1つの可能性」を拝聴してきました。目玉は建築家の伊東豊雄氏による「改修国立競技場提案」を公表するというもの。

内容は、私がかねてより案内してきたものコンセプトはほとんど一緒でした。

現在の国立競技場を一部解体せずに残して、陸上競技場を9コース確保した上で、スタジアムを拡張するという計画。エキスパンジョイントの話も出ていました。

私の案は、「神宮外苑と国立競技場を未来に手渡す会が主催する」共同代表の森まゆみさん達に今年の1月15日にメールで案内していました。また私自身は建築技術者ですので、その裏付けを確認するために独自で現地を取材し、整理してまとめたものをブログで3月31日に情報公開しています。さらには、本日のシンポジウムで登壇されていた森山高至氏がブログを4月20日にtwitterでリツィートしています。

リツウィートのURLはこちら(↓)
http://bit.ly/1qw4hLr


一方、伊東豊雄氏の案では根本的に、①開閉屋根が無い点と②既存スタジアムを残すエリアが3分の2ほどある点③ザハ・ハディドのデザインを全く踏襲していない点、が特徴である。
独自性があるようで、実は現実の条件をと比較すると乖離しており、非現実的ともいえる。

その理由としては、
①開閉屋根が無い点では、その有無については議論が必要であるが、少なくとも観客席全域には屋根が必要と考えている点で大きく異なっている。国際的な競技を行うスタジアムのバックストレートで屋根が無い施設は時代遅れではないだろうか。。
②既存エリアを残すエリアが3分の2ほどある点では、実際には非現実的である。陸上競技のコースを面積的に9コース確保するだけではNGであり、アスリートが安全に競技できるように余裕のアスリートはアスリート同士が接触したり、勢い余ってコースアウトすることは多々あるからだ。
③デザイナー建築家としての意地があると思われるが、様々なプロセスとコンペを通じて決定された案である点を無下にしている。
と言えます。

競技場の改修については様々な実績事例があり、有能な技術者が集結すればもっと優秀な改修案ができるはずであるが、日本の建築業界の実情で発案側の設計者集団や建築家には真の技術者が不在傾向にあることが原因であると思われる。

いずれにしても根本的に本件にてついては、公共工事でありながら説明責任や市民とのコミュニケーションに乏しい点と建築業界において技術者達ががこの問題に無関心で真剣に考えておらず情報発信もしていない点が起因しており、根深いものだと考えている。
本日の登壇者たちが述べていたが、東日本大震災の復旧において無意味な巨大防波堤を築こうとしている現状とこの問題は大変似ている。

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«カヌースラローム競技場考/代替案